"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
9月の北海道胆振(いぶり)東部地震後に起きた電力不足問題。前編では、「電気は水と同じくらい貴重なライフラインなのに低く見られがち」であり、特に北海道では酪農、農業、暖房などに必須であると指摘。それなのに「北電の責任は極めて重い」という高橋はるみ北海道知事の発言は、北電スタッフのモチベーションを下げるものであり、対案を示さずに文句を言うのは見当違いであると批判した。
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ひろ 電線が切れちゃったとかの問題は、いち早く現場に行ってつなぎ直すことが必要でしょうし、電力が足りない問題は、本州とつながるラインを増やすとか、電線をグリッド化して、意図的に切り離しができるようにするみたいな対処が必要なんです。
ほかにも、もしものときのために、電気料金を上げてでも火力発電所を増やすとか、方法はいろいろあるわけで......。
ホリ その答えはシンプルで、原発再稼働でしょ。
ひろ でも、今の世の中的には原発を動かすより、火力発電所を増やしたいって感じなんじゃないすかね。僕も堀江さんのように「原発を動かせばいいじゃん」って思う派ではあるんですよ。
だから、今から新しい原発は造らないにしても、すでに存在しているものは、稼働してなくても存在しているだけでコストがかかるんだから、使ったほうがいいと思うんです。
ホリ まあ、それが正解なんだろうけど、世論がいつも正しいとは限らないからね。よく「民主主義の限界」なんて言われるように、民主主義がいつも合理的な判断ができるわけではないから。
ひろ 選挙で北海道知事は選ばれたわけですけど「止まっている原発でどれくらいのコストが毎年かかってるのか?」ってのと「火力発電でどれくらい料金が上がったのか?」という事実を出したほうが、もうちょっと冷静な話ができそうな気がしますよね。
ホリ ただ、残念ながら、今の世論に合理的な判断はできないよ。だって、合理的な判断ができるなら、すでに原発は全国で再稼働しているはずなんだから。
ひろ まあ、そうですね。ちなみに、堀江さんが学校をやるのって、そういうアホを減らしたいという考えもあったりするんすか?
ホリ アホを減らすのは無理だけど、政経塾はできたから政治家をたくさん輩出しようかとは思っていたりする。本当は宗教チックにやるのが楽なんだけど、教祖になるのは気持ち悪いから、そのアプローチはやりたくないんだよね。
ひろ 政治家をつくって、世の中を変えていくって正攻法ですよね。今、アホが多数派になっていっているので、そろそろヤバくなっている気がしますから。
ホリ いやいや、昔からアホは多数派だよ。それは魔女狩りの時代からなんも変わってない。今の社会を見ればわかるけど、現代版の魔女狩りばっかりじゃん。人類はいまだにやってるんだよ、魔女狩りを。
ひろ 人間は進歩しないっすねー。
ホリ ......まったくだよ。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)