2018年の「ゆるキャラグランプリ」は組織票問題で揺れた。
暫定1、2、3位の得票の一部が無効とされ、暫定4位だった埼玉県志木市のカパルが王者に輝いたのだ! そこで新王者に優勝の喜びを語ってもらった!
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自治体職員らによる組織票が問題となった今年の「ゆるキャラグランプリ2018」。優勝したのは、組織票に頼らなかったカパル(埼玉県志木[しき]市文化スポーツ振興公社の公式キャラクター)だった。
――優勝、おめカパール!
カパル ありカパール!
――ネット投票では暫定4位(11月1日時点)だったけど、その後にほかの上位キャラに対する一部の投票が無効票と見なされての逆転優勝だったね。
カパル 初日は2位だったのに、だんだん順位が落ちていって、その代わりにほかのキャラがエビゾリ上昇していったおー。
山口太郎(志木市文化スポーツ振興公社・志木市民会館パルシティ館長) 後からフリーアドレスを取得して投票したところがあったと知りましたが、知ったところでうちは社員5人の小さな組織です。組織票をやりたくてもできませんでした(笑)。
――なるほど。そもそも、カパルはどうやって生まれたの?
山口 2000年に「公社のキャラクターがあったらいいよね」とスタッフと話していたんです。志木市にはカッパ伝説があるのでメモ帳にカッパの落書きをしたら、当時の理事長が通りかかって「これ、マスコットにして何かやれば?」と言いました。翌年に創刊した広報紙の挿絵に使い、第2号で名前を公募して、第3号でカパルという名前が決まったら、その号で広報紙が休刊になってしまった。
カパル さびしかったおー。
山口 そして、キャラクターがいたことも忘れて10年くらいたち......。
カパル (目が点←もともと)
山口 11年に市民会館の公式ツイッターを作ったんです。その頃、まんべくん(北海道長万部(おしやまんべ)町のキャラ)が毒舌で話題になっていて、「そういえば、うちにもキャラクターがいたな」と思い出して、カパルのアカウントも開設しました。すると「どこに行ったら会えるのですか?」という問い合わせが来るようになり、最初は「会えません。2次元のカッパです」と答えていたのですが、あまりにも会いたいという声が多く、実体化させました。
カパル 俺、参上! ワチョーイ!
山口 それで、広報活動をしてもらおうとしたのですが、志木市には宣伝するものがありません。だから、イベントなどでほかのキャラが町の宣伝をするのに、カパルだけはステージでプリキュアのダンスをしたり、ほかのゆるキャラにキュウリを差し出す「振る舞いキュウリ」をしていたんです。
――それで、エロヲタカッパと呼ばれてるんだ。
カパル 違うお。キモヲタカッパだお。
――グランプリ参戦は今年で最後だったとか?
山口 12年から参加していましたが、上位を目指す気持ちはなく、「なんだ、この気持ち悪いカッパは」と思ってくれたらラッキーくらいのつもりでした。でも、長年活動を続けていくうちに「頑張ろうね」と言われることが多くなったので、「今年限りで参加するのをやめます。その代わり、みんなが応援してくれるなら、競争は苦手だけど頑張って、てっぺん目指そう」と活動を続けてきたんです。
――今後の予定は?
山口 12月2日に「志木市民まつり」があるので、そこでたくさんの人と触れ合えたらいいなと思います。
カパル 全力でオマイらさんたちと楽しむおー!