"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、ピエール瀧逮捕による関連作品の自粛について。前編では、ロバート・ダウニーJr.やレディー・ガガなど、過去に薬物で問題となった外国人の作品は日本でも普通に放映されていることを挙げ、「外国人も同じ基準にしないとつじつまが合わない」と指摘。「作品に罪はない」と『麻雀放浪記2020』を予定どおり公開した東映の動きを評価した。

* * *

ひろ 極論ですけど、ピタゴラスがもし薬物中毒だったら三平方の定理を使っちゃいけないんすかね? インスタントラーメン作った安藤百福(ももふく)が、もし薬物中毒だったらインスタントラーメンが規制されるんですかね?

アホみたいなこと言っているように聞こえると思うんですけど、ノイジーマイノリティが言ってることってこれですからね。

ホリ 本当にくだらない。

ひろ 「殺人犯が手記を書いて儲けるのはいかがなものか?」という意見はまだわかるんですよ。あとは、ピエール瀧容疑者が例えば、「薬物のススメ」とかって本や音楽を出していたら、そりゃ規制されるだろって話でいいと思うんです。だけど、今回の件ってそういうことじゃないですよね。

ホリ それに薬物は更正させることが大事だけど、「更生のためにも販売中止」みたいな意見がある。でも、更正と規制って関係あるか? 見せしめ的に作品を規制しても更生できるわけないだろ。

ひろ 更生するかどうかは、本人と周り次第ですからね。

ホリ そもそも、覚醒剤を合成したのは日本人だよ。覚醒剤って世界初の合成麻薬メタンフェタミンのことで、「ヒロポン」という名前で、戦後すぐまでは普通に買えていた。

それまで伝統的な薬物だった大麻は1948年に違法になったけど、それはアメリカの占領政策の影響。当時はアルコールも違法化したかったんだろうけど、アメリカでの禁酒法の失敗があったから、さすがに違法にはしなかったみたい。

ひろ 禁酒法は微妙でしたもんね。

ホリ そうそう。アルコールを取り締まったことでマフィアの資金源になることがわかったからね。つまり、薬物を違法にすると地下経済が潤うことをアメリカ人たちは知っていた。

ひろ その論理なら、日本で大麻は違法化しなくてもよかったんじゃないですか?

ホリ アメリカはもともと清教徒(ピューリタン)が移民して造った国だし、エリート層には潔癖症が多い。理想を追う人が多かったから、日本が戦争に向かった原因を徹底的に潰すために、そのエリートたちを送り込んで占領したんだよ。そういうこともあって、あの時代に薬物は徹底的に叩かれたの。

ひろ なるほど。でも、堀江さんが言うように、覚醒剤はヒロポンという名前で市販されて、航空部隊とかで配布されたりしてたので、その時代にヒロポンをやった人の作品を全部お蔵入りとかしてたらキリないんですよね。

ってことで、ヘンな基準で規制や自粛するのって、もうやめたほうがいいっすよ。ただでさえ不景気なんですから。

ホリ そうそう。いいかげん、こんなヘンな流れはやめにしたほうがいいよ。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)

★「ホリエモン×ひろゆき 帰ってきた!なんかヘンだよね…」は土曜・日曜日更新!★

horiemonhiroyuki_605_90.jpg