ハイヒールで一日中仕事をすることを義務づけられた女性のしんどさは想像がつきます ハイヒールで一日中仕事をすることを義務づけられた女性のしんどさは想像がつきます

女性のヒール・パンプス着用をめぐる国会答弁が話題に。根本匠厚労相は「社会通念に照らして業務上必要かどうか」という言葉を用い、この表現がメディアでもさまざまなとらえ方をされた。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に思うあんなこと、こんなこと。

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職場でのハイヒールやパンプス着用の強制は性差別だとして#KuToo運動が広がりを見せ、2万人近い賛同の署名が厚生労働大臣に提出されました。厚労相は社会通念上必要な範囲を超えての着用強制は問題があるとし、ケガをしているのに着用を強いるなどの場合はパワハラ的であり許されないという見解を示しましたが、この回答がまた新たな波紋を広げることに。

そもそも「社会通念上必要な範囲」って? どうしてもハイヒールでなければならない仕事ってなんでしょうか。女王様プレイには必須の気がするけど、あとはハイヒールでなくちゃ仕事ができないわけではないでしょう。

私はテレビで着る衣装以外は私生活ではずっと足を締めつけないデザインのペタンコ靴を愛用しています。きっかけは子供を持ったこと。職場の帰りにお迎えに行くので、ハイヒールでは動きづらくてならなかったのです。

ペタンコ靴に替えたら通年で悩まされていた靴擦れや外反母趾の悪化から解放され、明らかに生活の質が向上しました。だからハイヒールで一日中仕事をすることを義務づけられた女性のしんどさは想像がつきます。

ところで恋人や妻の足、よく見たことありますか? 母親でも姉妹でもいいですけど、一度女性の足をよーく見せてもらってみてください。外反母趾やタコやマメ、爪の変形など、ハイヒールに押し込められたがゆえの傷痕が必ずあるはず。

無理な姿勢を強いるハイヒールで満員電車に乗っているのですから、腰や体全体への負担も相当です。リアルに健康問題なんですよね。いまひとつ実感が持てない男性も多いかもしれないけど、一度履いたらわかると思うなあ。

#KuToo運動が盛り上がるにつれ「男だってスーツやネクタイでしんどい思いをしているのに」という反感の声が上がるようになりました。服装の強制に理不尽さを覚えているのなら、#KuTooを応援して「快適な服装で働きたい」と一緒になって言うという手もありますよ!!

と思ったらすでに#SuTooというのが立ち上がっていました。スーツ着用義務づけに反対しようというタグです。確かに夏場なんかもう命がけレベルですよね。私だったら酷暑のなかでスーツなんてとても耐えられない。夏場はスースー風が通るワンピースを着ることも多いので、この快適さを知らない男性たちはなんて気の毒なんだろうと思います。

今のところまだ#KuTooほどの連帯や盛り上がりを見せていない#SuTooですが、スーツやネクタイが苦手な男性は少なくないはず。クールビズはだいぶ浸透してきたようですから、さらに一歩進める好機です。いっそ思いの丈をぶつけてみてはいかが。

●小島慶子(こじま・けいこ) 
タレント、エッセイスト。テレビ・ラジオ出演や執筆、講演とマルチに活動中。現在、日豪往復生活を送る。対談集『さよなら!ハラスメント』(晶文社)が好評発売中

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