10月20日、警視庁小岩署(東京都江戸川区)で、『銀牙―流れ星 銀―』の高橋よしひろ先生、『魁!!男塾』の宮下あきら先生、『北斗の拳』作画の原哲夫先生、3名の人気漫画家が一日署長を務め、特殊詐欺被害防止を訴えた。
『少年ジャンプ』黄金期から活躍しているこの3人は、知る人ぞ知る師弟関係。高橋よしひろ先生が10代の頃に小岩で過ごしたことが縁で小岩署から依頼があり、かつてアシスタントとして働いていた宮下先生、原先生に声をかけ、3人がそろって一日署長に就任することになった。
啓発活動の一環として、3人の代表的作品のキャラクターを新たに描き下ろした初のコラボポスターの制作も行われた。
「地域の絆でストップ! 特殊詐欺!」(『銀牙―流れ星 銀―』)、「渡してならぬ。キャッシュカード! 教えてならぬ。暗証番号!」(『魁!!男塾』)、「その電話、本当に警察? 何事も確認せよ」(『北斗の拳』)、そして「特殊詐欺 根絶!!」(3作品のコラボデザイン)の計4枚のポスターが、今後、小岩の公共場所に貼られていくという。
小岩警察署長からの一日署長の委嘱状を受け取った後、3人は記者会見を実施。初のコラボについて問われると「(長きに渡る関係なので)何もモメることはなかったです」と笑顔の高橋先生。息が合ったところを見せ、「(ポスターで)被害が減って欲しいですね」と語った。
また特殊詐欺に遭った体験を個々に問われると、高橋先生は息子を装った特殊詐欺の電話を受けたことがあると告白。「『誰?』って聞いたら『僕』っていうんだけど、ウチの子は『僕』なんて言わないし、下の名前を聞いたら、泣きながら『トシ』って。トシじゃないから『ウソつけ!』って言ったら切れました」。
宮下先生は、「ウチの母親に(電話が)かかってきますね。お金の話が出たら『俺に電話してね』って言っています」と語り、原先生は「電話線を抜いちゃってるので、詐欺の電話はかかってこないです(笑)」とユーモアを交えてひと言。署内は穏やかな笑顔で包まれた。
制服姿に身を包んだまま3人はその後、出動式を行ない、所轄の各所を訪問。特殊詐欺の被害防止へ注意を呼びかけた。