"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は新型コロナウイルスのワクチンについて語る。
(この記事は、11月21日発売の『週刊プレイボーイ49号』に掲載されたものです)
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ホリ 米の大手製薬会社「ファイザー」は、開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で「90%を超える予防効果があった」と発表したよね。で、承認申請を行なえば年内にもワクチン接種が開始できるらしい。この事実は大きいよ。
ひろ でも、暫定的な結果ですよね。まだ「ワクチンでつくられた免疫がどれくらいの期間もつのか」とか「ウイルスの変異に対してどれくらい効果があるのか」とか、そのへんは市中に出回ってからじゃないとわからないと思います。
ホリ いや、そんな話は多くの人にとって関係ないから。正直、大衆や社会はワクチンの本当の効果とかは、どーでもいいと思う。
ひろ じゃあ、何が大事なんですか?
ホリ 世の中は、コロナウイルスをできるだけ早く"なかったこと"にしたいんだよ。今回のワクチン開発は、その理由としては効果的。つまり、各国政府がコロナ終息宣言をするひとつのツールになる。
ひろ いやぁ、フランスやアメリカの感染者数を見ていると、各国政府が終息宣言を出すのは無理だと思いますよ。日本はなんとかなっていますけど、フランスやアメリカは、春まで増え続ける気がしますから。
ホリ だから、それを大丈夫にするためのツールでしょ。みんな本音ではコロナウイルスなんてなかったことにしたいんだよ。実際、メディアが毎日のように感染者数を報道しなくなったら忘れると思うよ。
ひろ 日本の話ならわかりますよ。でも、フランスでは毎日500人以上の人が新型コロナで亡くなっているので、感染者数の報道がなくなることはしばらくないと思います。
んで、一日に500人とかが死んでいる病気を報道しないと、今度は「政府の陰謀だー!」って大騒ぎになりそうな気が。
ホリ ヨーロッパもワクチンが認可されれば変わると思うよ。それに、今の段階でウイルスを過度に怖がっている人とか、マスクの同調圧力に負けている人とかは、どうせワクチンができても副反応を怖がって打たないっしょ。だから、"ワクチンが認可された"という事実が大事なんだよ。
ひろ ワクチンが認可されて年内に接種が始まっても効き始めるのは年明けなので、春先までは変わらないと思いますけど。
ホリ いや、「認可された」という事実で、世論はコロッと変わると思う。実際に効果があるかどうかなんて関係ないよ。
ひろ 日本は死亡者数が少ないので、その可能性はあると思います。でも、ヨーロッパとアメリカはかなりの人が死んでいるので、認可された事実だけでは世論は変わらないんじゃないかと。フランスはICU(集中治療室)の8割が埋まっていて、医療崩壊寸前だったりしますから。
★後編⇒ホリエモン「コロナワクチン完成などの明るいニュースが出ることで、悲劇的な行動に出る人が減ってくれればいい」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)