"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは新型コロナウイルスのワクチン接種について。前編では、堀江氏が「世の中はコロナウイルスをできるだけ早く"なかったこと"にしたい。今回のワクチン開発は、その理由として効果的」「『認可された』という事実で、世論はコロッと変わる」と予想すると、ひろゆき氏は「ワクチンが認可されて年内に接種が始まっても効き始めるのは年明け。春先までは変わらない」と反論した。

(この記事は、11月21日発売の『週刊プレイボーイ49号』に掲載されたものです)

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ホリ どっちにしても、寒さがおさまったら感染者数もピークアウトするだろうから。

ひろ 堀江さんが言うような状況になるのは春先ですよね。僕的には、クリスマスの大移動で年明けあたりに感染者数の大幅な増加がもう一度起きると思っています。

ホリ なんか平行線だな。でも、ワクチンができたという明るいニュースで世論を変えることは大事でしょ。

ひろ そうっすね。最近の話題だと、日本で自殺者が増えているってニュースがありましたよね。10月の自殺者数は昨年同月比で39.9%増だったと(警察庁調べ)。

ホリ 日本の場合、コロナウイルスで死ぬよりも、自殺で死ぬ人が多いって状況だからね。

ひろ そもそも論として、自殺への対処が間違っていると思うんですよ。例えば「お金がないと自殺者が増える説」が正しいなら、日本の自殺率が、発展途上国より高いのってヘンですよね。失業率がもっと高い国はいくらでもあるわけですから。

ホリ じゃあ、何が原因?

ひろ 「お金がなくて、自分だけがつらい」と失望することなのでは? 自殺者数と失業率って、今まではほぼ相関していたんですが、今年の4、5月は去年と比べて2割近く自殺者が減っているんですよ。んで、今年の4、5月って景気が良かったわけでも、失業率がめちゃくちゃ低かったわけでもないですよね。

ホリ 数字を見ると、そういうことになるね。

ひろ 例えば、戦時中って精神的にキツいはずなんですけど、自殺率は高くないんですよ。それは、周りのみんなも同じようにつらいから。今年の4、5月は非常事態宣言が出ていて、みんなも同じように大変そうだったので、自分だけがつらいとはならなかった。

ホリ なるほどね。

ひろ だから、Go To イートキャンペーンとかをやっているよりも、自殺者を減らすために「自分だけがつらい」と失望する状況をなくすほうが良かったんじゃないかと思うんです。

ホリ でも、批判の多いGo To キャンペーンだけど、あれは景気刺激策だからね。クーポンを配ったら、多くの利用者はその2、3倍のお金を使うわけで、金を配るより景気刺激になるから。

ひろ でも、"無限くら寿司"なら1000円払えば理論上は毎日タダですしが食えるので、景気刺激策にはならないですよ。ポイントで払ってもポイントがつくという設計が間違いだと思いますけど。

ホリ まあ、無限くら寿司とかやる人は一部だと思うけどね。とにかく、ワクチン完成などの明るいニュースが出ることで、悲劇的な行動に出る人が減ってくれればいいんだけどね。

ひろ そうですね。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)

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