"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、森喜朗前会長の辞任騒動について語る。
※この記事は2月22日発売の『週刊プレイボーイ10号』に掲載されたものです。
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ホリ 森喜朗前東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長の女性蔑視発言のニュースでもちきりだったね。
ひろ 日本だけでなく、海外でも報道されましたからね。カナダの元女子アイスホッケー選手で、オリンピックで4大会連続金メダルを獲ったIOC委員のヘイリー・ウィッケンハイザーさんは「この人を問い詰めます」とツイートしていたくらいですから。
ホリ たぶんだけど、こういう発言を定期的にしてしまう森さんに対して、周りの人間がいさめることができない状況になっていたんだと思う。だから、本人も自分の失言のインパクトがわかっていないんだよ。だから、また同じことをしてしまうかもね。
ひろ 会長を辞任しないと、今回の騒動は収まらなかった気がしますよね。
ホリ ただ、森さんにとってあのポジションは、ライフワーク的なものだったと思う。森さんって自分で言っていたけど、がんを患って医者から「もうダメだ」と言われているくらい満身創痍(そうい)の体だった。新薬が効いたってことだけど、「なんとしても東京五輪を開催する」という気力で生きているような感じもするんだよ。
ひろ IOCは、森さんを切りたがっていたようですけどね。
ホリ 発言は完全に森さんの落ち度なんだけど、切りたくても切れない事情とかあったんじゃない?
ひろ というと?
ホリ これは、完全に想像でしかないけれど、森さんを切ったらIOCの幹部のスキャンダルを暴露するとかのカードを持っていたとかね。
ひろ さすがに、森さんはそんなことはしないかと......。
ホリ いや、もしIOCに切られたらの話だよ。
ひろ そこまでして残っても、日本国内で森さんをホメてくれるメディアはなさそうな気がします。
ホリ 森さんはマスコミにホメられるとか特に望んでないと思うよ。そんなことで、わざわざ組織委員会会長なんてやらないと思うし、「森の周りにはイエスマンしかいない」とか言っている人もいるけど、周りにいる人はある程度は森さんをリスペクトしていると思うんだよ。
ひろ 周りの人、特にアスリート出身の人とかはコーチの言うことをきちんと聞いてきた人が多いと思うので、偉い人に従っているだけで、個々の意思がある人は少ないような気がします。
JOC理事の山口香さん(柔道元世界女王)は、公の場で森さんの発言を指摘しましたけど、逆に言うと山口さんぐらいじゃないですかね。
ホリ え?
ひろ いや、偉い人に従っている人って、別に自分の意思があるわけじゃないですよね。
ホリ でも、それは単なるひろゆきの想像じゃね? まあ、俺も想像で話をしてはいるけど。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆき、森喜朗前会長の辞任騒動に「女性差別はNGなのに年齢差別はOKって、なんかヘンだよね」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』(三笠書房)