YouTubeチャンネル登録者数155万人超、日本トップクラスの視聴率(同時接続数)を誇る"ライブ配信の王"コレコレ氏が初めての著書『告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』を上梓(じょうし)した。
平成生まれの抱える闇を誰よりも近くで見聞きし続けてきた「若者の駆け込み寺」的存在の彼に、ライブ配信の意義、そして若いSNSユーザーが抱えるリアルな悩みの実態を聞いた。
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――電話をかけて相談してくる「凸者(とつしゃ)」は10代が多い一方、コメントを書き込む「リスナー」は20代、30代、10代の順で多く、しかも女性が多いと知り驚きました。現在32歳のコレコレさんを含めた、少し年上のお兄さんやお姉さんが、10代の若いコの悩みを聞いている構図なんですね。
コレコレ 最近はYouTuberやTikTokerの告発など、目立つものを扱うことも増えたので、注目されることも多いんですけど、基本は若いコたちの悩み相談をライブ配信しています。
10代の凸者は「友達にも親にも言えない。ほかに相談できる人がいなくて......」という言葉を口にするコが多いんです。凸者の多くは、自分で考えることがへた。なんでもアリのネットの世界で自由を謳歌(おうか)するにはまだ幼すぎるし、自分がどう解決したいかがわかっていない人ばかりです。
――そういう凸者に対して、「で、君はどうしたいの?」と必ず聞いていますよね。
コレコレ 「背中を押してほしい」というコが多いんですよね。ある程度、自分の中で選択肢があって、どれが最善なのか、僕やリスナーに決めてもらうために相談に来る。
最初に「君はどうしたいの?」と聞いても答えは出てこないけど、終盤あたりで「で、君はどうしたいの?」と聞くと答えが出てくるんです。これまでの経験から、「今、答えが出そうだな」という瞬間はわかるんですよ。
――この本を書いた動機として、「知識があれば犯罪の被害は防げる。これまでの経験で知り得た『SNSの闇』をすべてさらしてやろうと思っている」と書かれています。
コレコレ 若いコが犯罪被害やトラブルに巻き込まれるのは無知だから。知らないから簡単にダマされ、危険な話に巻き込まれてしまうんです。ネットの世界では知っていることが最大の防御になると思うので、僕の知っている情報は伝えていきたいなと。
でも、僕は正義のジャーナリズムをやっているつもりはないんです。「若者の代弁者」とか「物申す系YouTuber」と言われるのも違うというか。あくまでも相談者がいた上で、その悩みを解決するためにできることをやるというエンターテインメントなので。
楽しく面白いことをするというスタンスはぶれないですね。面白いことをしながら誰かを助けられたら一石二鳥かなと思います。
――凸者との関わりがクローズアップされがちですが、一方で「ライブ配信の主役はリスナー」とも。リスナーとはどのような関係性ですか?
コレコレ 形としては僕が凸者の悩みを電話で聞きながら話を進めますが、あくまでも情報の交通整理であって、オーケストラの指揮者のようなもの。僕と凸者の話を聞いたリスナーがさまざまなコメントを書き込むことによって、ライブ配信が成立しているんです。
――10万人以上が「同接(同時接続)」することも多いですよね。
コレコレ リスナーの中に誰かしら専門家がいるので、僕以上に的確なアドバイスが書き込まれるんです。だから、僕に知識がなくても成り立つ。凸者は僕じゃなくて、僕を含めたリスナーに話を聞いてもらいに来ているんですよ。みんなが参加できるのがエンタメとして面白いと思います。
――コレコレさんはどんなことに面白さを感じるんですか?
コレコレ 謎を解明するのが昔からすごく好きでしたね。例えば、未解決事件を扱う番組とか。
――確かにコレコレさんのライブ配信は未解決事件を解明する特番っぽさがありますよね。中身は真剣だけど、MCとして、リスナーと一体となって盛り上げる感じとか。ちなみに、どんな瞬間に興奮を覚えたりするんですか?
コレコレ 告発系だと、やっぱり相手が嘘を認めた瞬間ですかね。リスナーも同じ感覚で、そのタイミングでコメントの速度がめっちゃ速くなります。例えば、「やってない」とずっと言っていたのに、最後の最後で「やった」と言った瞬間とか。謎を解明するのが好きなんで、その延長でやってる気がします。
――書籍では、リスナーのノリの変化についても書いていますよね。「最近の視聴者は笑い転げるような配信よりも、聞いていて自分に有益で役に立つような情報や物事を、自分と違う角度で見せてくれるような放送を求めている」とか、「同接10万人を超えたくらいから『正義厨』のコメントが増えてきた」とか。
コレコレ 頭が固い人が増えましたね。僕は面白いと思ってちゃかすんですけど、それを批判する人も多くなってやりにくくなりました。でも、その笑いの要素がなくなったら僕じゃない。それじゃ面白くないので、変わらずやっていくつもりです。ある程度は抑えめにしているところもありますけど。
――笑いの要素もコレコレさんの大きな魅力ですからね。ちなみに、ツイッターのDMにはものすごい数の相談が日夜寄せられていると思いますが、すべてに目を通します?
コレコレ すべてに目を通していますよ。基本的には自分が面白いと思うものから順に採用していますね。そういう意味では、リスナーのツボとも合っていると思います。
でも、大物芸能人の性事情のタレコミはあえて扱いません。リスクもあって事務所に止められたりしますしね。そういうときは「止められた」ってところまで言おうと思ってますけど(笑)。
あとは「この相談、ちょっと待てば自分で解決できそうだな」というものも多いですね。何日かすると、「やっぱり解決しました」って連絡が来ることも多いです。
――コレコレさんのDMには、日本中の若者の悩みが集まっているわけですよね。ぐちゃぐちゃにならないですか?
コレコレ 解決したものはひとつひとつ消して整理してるので。常に最新状態のものが一番上に来るようにしています。こう見えて、けっこうきちょうめんなんですよ(笑)。
●コレコレ
1989年8月12日生まれ、広島県出身。YouTube、ツイキャス、ニコニコ動画などで活動するライブ配信者。ライブ配信の同時接続数日本トップクラスの実績を誇る。生放送でリスナーからの相談や暴露タレコミを受け付け、ネットの集合知を借りながらファクトチェックを進める配信スタイルが若者から熱狂的な支持を得ている。一般メディアも後追いした「ワタナベマホト児ポ法違反」「有名YouTuber・T豊胸事件」など、配信を通じて暴いた有名インフルエンサーのスキャンダルは数知れず。人呼んで「ライブ配信の王」「ネット界の文春砲」「日本一、視聴者の声を聞く男」
■『告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』
宝島社 1540円(税込)
YouTubeチャンネル登録者数155万人超で日本トップクラスの視聴率(同時接続数)を誇る"ライブ配信の王"コレコレ。世間から注目を集めた「マホト児ポ法違反」をはじめ、闇バイト、投資詐欺、マルチ商法、ネットいじめ、悪徳インフルエンサーなど、思わずドン引きするような悪事やゴシップを扱う一方、「旭川女子中学生いじめ凍死事件」といった社会的問題も取り上げる彼が、SNSの闇をあばく初著書。巻末には、ひろゆき氏との対談も収載