ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

今週は「お金がたまらない人」のゴミによく見る特徴についてお話します。

半透明のゴミ袋を回収していると、小銭が何枚か入っているのに気づくときがあります。つまり、わざとではないにしろゴミに混ざってお金を捨てているわけです。

小銭ですから、もし気づいても面倒で取り出さないのかもしれませんが、いくら少額とはいえ、お金を捨てているお金持ちは見たことがありません。もったいないですが、一度ゴミ捨て場に出されたものは着服するわけにいきません。ゴミ処理施設にはそういったお金を入れる場所がありますので、そこへ入れています。

あと、コンビニで売られているようなカップラーメンやお菓子のゴミもよく目にします。ラーメンやお菓子が食べたいのなら、安いスーパーで袋麺をまとめて買うとか、安価なお菓子を選ぶとかすれば節約になるのになーと思ってしまいます。

僕がかなり貧しかったからこそ思うんですが、そういう時期に限って多少のお金のことは気にせず、ジャンクフードを定価でバンバン買ったりしていました。そのくせレジ袋が有料になると、ものすごく腹が立ったりして(笑)。

居酒屋を経営している後輩芸人・鈴木なつさんのお店に、農家を営んでいるこのみ村田のお父さんが捨ててしまう里芋を届けて、食ロス削減! 居酒屋を経営している後輩芸人・鈴木なつさんのお店に、農家を営んでいるこのみ村田のお父さんが捨ててしまう里芋を届けて、食ロス削減!

捨てられているものだけでなく、その捨て方についても特徴があったりします。

たとえば、大量のゴミが一気に出されるパターンもよく目にします。忙しくて時間に余裕がない方が多いのでしょう。

とあるアパートのゴミ捨て場に、ペットボトルがパンパンに詰まったゴミ袋が、一気に10袋ぐらい出ていたことがありました。その小さなアパートを見上げて「いままでこれが家にあったのか」と想像すると、足の踏み場もなかったろうなと思いました。たまの休みで掃除をしたのでしょうが、普段は忙しくてそこまで手が回らなかったのでしょう。

お金持ちの家の方が、ものがいっぱいあるので一気に大量のゴミが出そうですが、意外とそんなことはまれです。時間に余裕があったりお手伝いさんがいたりして、毎日少しずつかたづけているからでしょうか。

カップラーメンが、ほとんど手も付けられずにそのままボーンと捨てられているのを見たりすると「俺が買ったんだから、どのタイミングで捨てようが勝手だろ!」っていう、ちょっと傲慢な気持ちみたいなものを感じてしまいます。

前回の連載でも言いましたが、僕がとても貧乏だった時代に、藁をもすがる思いでお金持ちの出すゴミをマネしてみようと思いました。そうすれば、自分もお金持ちになれるかも?と考えたからです。そして自分のゴミを客観的に見て、いろいろ気づいたことがありました。無自覚にいらない服を大量に捨てていたり、食べかけのものを捨てていたり、生ゴミが汁だらけだったりと、よくない点が目に付くようになりました。

また、ゴミを減らそうとしたことによって「ちゃんとしたものを買いたい」と思うようになりました。安いものを買っても、結果すぐ捨てちゃうことが多かったからです。安いものほどよく捨てられているのも見ていましたし。

当時の僕からしたら決死の覚悟で買った高いマイボトルがありますが、それから10年経った今でも大事に使っています。

ちょっといいものは長持ちするような気がしますし、長持ちさせることを考えると、ものを大事にしようと思うようになりました。

年末に、大掃除をしようと考えている人も多いと思います。いいタイミングですので、ぜひこの機会に自分のゴミを客観的に観察して、さらにお金持ちのマネをしてゴミを減らしてみてください。そうすることで、僕のように何かがいい方向に変わることがあるかもしれません。

来年もよろしくお願いいたします!

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!