ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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連日、寒い日が続いていますね。この時期を過ぎれば少しずつ春の訪れを感じることができるのでしょう。そんな待ち遠しい春になるとよく出るゴミの特徴として「引っ越しゴミ」があります。これは「ものすごく乱雑」だったり、「ものすごく重い」ものが多いです。

ベテランになると、ゴミを見ただけで「これはカップルだな」とか、住人の顔が想像できるようになってきます。乱雑にスプレー缶とぬいぐるみがまとめて捨ててあったりすると「このカップル、どこかで失敗するだろうな」と思ったり(笑)。

カップルに限らず学生さんの引っ越しも増えますが、何でもかんでもゴミとして置いていく人がかなりいます。ありとあらゆるものを一気に捨てるんでしょう、カレーのルーと金物がまとめて可燃ゴミに入っていたりとかします。

しかも30袋くらい一気に捨てる人もいますが、基本的にルール違反です。大体どこの自治体でも、1回に出していいゴミの量は3、4袋と決まっています。あまりにひどい場合は「回収できません」のシールを貼ってそのまま置いて行くんですが、すでに本人は引っ越していなくなってるわけだから、近所の人たちが困ってしまいますよね。

古紙に出される方がいらっしゃいますが、宅配便の宛名の紙は可燃ゴミです(本当はシュレッダーの方がいい) 古紙に出される方がいらっしゃいますが、宅配便の宛名の紙は可燃ゴミです(本当はシュレッダーの方がいい)

重いゴミでいえば、パチスロ台が捨てられていたこともありました。中にメダルが入っていると、信じられないくらい重いんですよ、今までで一番重かったんじゃないかな? 腰の悪いベテラン作業員は悲鳴をあげてましたよ。粗大ゴミにも重量制限はありますが、ちゃんと回収用のシールが貼ってあったら持っていかざるを得ません。

あと、引っ越し先の家にはサイズが合わなかったりするんでしょう、家具もかなり出ますが、これも重いです。レンタル家具という制度もありますから、先々引っ越す予定の学生さんにはお勧めだと思います。

あたらしく家具を買うなら、リサイクルセンターにもかなりいいものがそろっています。例えば港区が運営する家具のリサイクル展に行くと、お金持ちが使っていたであろう立派な家具が破格の値段で売られています。ここは港区以外の住民が行っても全く問題ありません。高級なリユース品がたくさんあるので、見るだけでも楽しく過ごせます。

また、「ヤマダ電機」にはリユース店があって、ここでは引き取った洗濯機や冷蔵庫とかを中までピッカピカにして売っています。しかも2年保証がついていたりするので、学生さんや新社会人で、新生活の準備費用を1円でも抑えたい人にはとてもいいと思います。将来のことを考えると、むしろ新品を買うよりいいかもしれません。

その他にも、春先は教科書や参考書、赤本などが捨てられることが多くて、これもまた重いです、本の束ってほぼ丸太ですから(笑)。

可燃ゴミの袋が「重い」と思ったら、大体紙が入ってるんです。紙類は可燃ゴミではなく、なるべく古紙として出してください。可燃ゴミに出されると、リサイクルできずに燃やすしかないのでもったいないんです。

ゴミ回収は年末年始が忙しさのピークで、2月と11月はゴミが減って暇になります。なぜかというと、そのふたつの月は大きなイベントがないからです。

あと東京に限っては、8月もゴミが減ります。全国的にそうだと思っていたんですが、岡山県の清掃員に聞いたら「8月は増えるでしょう?」と。どうやら、夏は東京から帰省する人が多いからのようです。ゴミはイベントとともに発生し、人とともに移動してるということがよくわかりました。

ゴミが少ないと我々の仕事は少なくなってしまいますが、ゴミが出ないことはとてもいいことなので、みなさん引き続きゴミを減らすことで、少しでもお金持ちに近づきましょう!

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!