ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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最近ゴミを回収していて、新たに気が付いたことがいくつかあります。そのひとつは「お金持ちの家のゴミ」に、市販薬が出されているのを見たことがない、ということです。

お医者さんの処方薬みたいなものはたまに見ますが、薬局で売っている風邪薬とか胃薬みたいなものはほぼ見ません。逆に、一般的な住宅からは市販の鎮痛剤がよく出てきます。

なぜだろう?と考えたのですが、お金持ちは病気にならないように、自分の健康にお金を使ってるんじゃないのかなと思ったんです。

僕らのイメージするお金持ちって、高級な肉ばっかり食べて贅沢三昧でコロコロ太ってる、みないなものがあると思いますが、実際に住んでいる人を見ると、そこまで太ってる人はほとんどいません。

そう思ってゴミを回収していると、お金持ちの家からはよくフルーツのゴミが出てきます。野菜はどこの家庭からも出ますが、フルーツは圧倒的にお金持ちの住む地域が多いです。

先日スーパーでリンゴの値段を見たら、1個198円でした。そう考えてみると、リンゴの芯がゴミに入っているのはセレブの証ですよ。おなかを満たして生きるのであれば、果物は食べなくてもいいですもんね。

一般的な住宅からは、炭水化物系のゴミが多く出ます。カップラーメンとか、レトルトのカレーなんかは白ご飯にかけて食べますし、あと餃子も多いです。

その他、お金持ちの住む地域でしか見ないゴミに、ドライフラワーがあります。僕もドライフラワーなんて買ったことないですよ。普通のお花でさえ自分でお金を出して買う機会はほとんどありません。お金持ちはきっと、お金にも気持ちにも余裕があるんでしょうね。

正月明けに回収したゴミ。きっと豪勢なパーティーがあったんでしょう正月明けに回収したゴミ。きっと豪勢なパーティーがあったんでしょう

さらに、これは決定的な発見だ!と今年に入って気付いたものがあります。年末年始や春にかけて、お金持ちの住む地域で断捨離的にゴミを一気に捨てる方が何人かいました。そこでどんなものがゴミに出されていたかというと、ドリルです。つまり、子どもが勉強するアレです。かなりいろんなお金持ちの家庭から出てくるので、お金持ちは子供の教育にもお金をかけてるんだなと気付いたわけです。

フルーツにドライフラワーに子供のドリル。これに共通することは何でしょうか? それは、未来への投資です。フルーツを食べるのは健康のため、ドライフラワーは精神的な安定のため、ドリルを使った子どもの教育だって、それは将来への投資です。

今すぐに何かが満たされるものではなく、少し先の未来を見据えているからこそ、こんなお金の使い方ができるのではないでしょうか。

それはもちろん、金銭的な余裕があってこそなのかもしれませんが、僕もそういうお金の使い方をマネしてみようと思いました。まあ、ドライフラワーを買うかはわかりませんけど(笑)。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!