ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!
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先日、引っ越しました。いくつか物件を見た上で決めましたが、僕が気になってチェックしたのは部屋の間取りや立地はもちろんですが、「ゴミ集積所」です。
分別されておらず回収できなかったゴミが放置されていたり、壊れたビニール傘が転がっていたり、とにかく汚くて臭かったりとか、そんなところはやはり住むのは躊躇してしまいました。
ゴミ集積場が荒れているのは、マンションだと管理人が機能してない証拠ですし、さらに言えばゴミ捨てのルールを守れない住人がいるということです。ゴミのルールを破る人は、他のルールも破るんじゃないか?と思ってしまったんです。
これから引っ越しをされる方は、物件の内見のときに部屋だけじゃなく、ゴミ集積所もチェックした方がいいと思います。そして集積所が荒れているところは、なるべく避けた方が無難だと僕は思います。
あと、物件から最寄りのコンビニのゴミ箱もチェックしてみましょう。地域住人の意識の高さや治安の感じがなんとなく確認できます。勝手に持ち込まれた家庭ゴミであふれていたり、オムツが捨てられていたりしたらヤバいですよね? これは不動産屋さんも言っていたので、ぜひ試してみてください。
ちょっと話はズレますが、僕たち清掃員の間で最近話題なのが、「エナジードリンク系のゴミ」です。エナジードリンクの空き缶は、なぜか分別されず可燃ゴミに放り込まれていることがすごく多いんです。この話は、どの清掃員に聞いても"あるある"になっています。
ゴミ集積場をチェックするときのコツとしては、「ペットボトル」を見るといいと思います。ペットボトルがちゃんと捨てられているところって、不思議と可燃ゴミとかもちゃんとしてるんですよ。
地域によっては、平気でペットボトルにタバコの吸い殻を入れて捨てる人が当たり前のようにいます。そういうところはちょっといい地域とは言えないんじゃないかと思います。
ちなみに、僕が住んでいた地域の集積場は、僕の友達が回収していました。彼から「滝沢はTwitterでごみの捨て方を世界に訴えるより、まず自分の地域のゴミを綺麗にしろ」と言われてしまったほど荒れて汚れていたんです。
それこそペットボトルはラベルをはがさずそのまま捨てる人が多かったので、そんなゴミを見つけると僕がはがしていました。そして半年ぐらい経った頃、みんなちゃんとラベルをはがして出してくれるようになったんです。
正しいゴミの捨て方の見本を見せれば、みんなできるんですよ。自分が出したゴミって、まわりの人にも影響を与えてるんです。
例えば、引っ越したばかりの場所でペットボトルを捨てようと思ったときに、集積場のペットボトルがラベルをはがさず捨ててあったら「みんなはがしてないなら、自分もはがさないで出してもいいかな?」ってなりますよね。人はどうしても周りの環境に引っ張られるものなんです。
自分だけがルールを守っても仕方がない、そう思わずに、まずは自分から始めてみてください。そうすればみんなもあなたのマネをして、綺麗にゴミを捨てるようになるかもしれません。
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。