ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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先週はゴミ分別に関して基本的なことをお話しました。今週は応用編といいますか、どう捨てればいいのかわかりづらいものや、捨てられないものについてお話します。

■捨てられないもの

みなさんあまり気づいてないかもしれませんが、普通に捨てられないものって意外といろいろあります。

レンガ、石、土、農薬、炭酸水を作るときに使うガスシリンダー、消火器、灯油、タイヤ、金庫、ピアノ......。

捨てられない理由は、水分だったり危険物だったり粉砕機で細かく砕けないものだったりと様々です。

「捨てられないならどうすればいいんだ!」と思いますよね。これらは購入した店舗や専門の業者、製造メーカーに引き取ってもらわなければいけませんが、必ず引き取ってくれるとも限りませんので、注意が必要です。

どうにもならなければ、お金を払って産廃業者に頼むしかなくなります。まずは買うときに「もし捨てるとしたら?」を考えておくことも大切ですね。

あと、リチウムイオン電池もまだ捨て方がはっきりしていません。地域によって捨てられないこともありますので、お住まいの地域のルールを確認しましょう。無理やり「可燃ゴミ」や「不燃ゴミ」で捨てたりすると、発火し大変なことになる場合がありますので、絶対にやめましょう。

スプレー缶やガスは中身を抜いたら「不燃ゴミ」(地域によって異なります)で出して構いませんが、「危険ゴミ」と呼んでいるところもあるようです。

■回収にお金がかかるもの

あと、通常のゴミ回収とは別にお金を払って回収する「粗大ゴミ」があります。

「粗大ゴミ」の条件も地域によって違いますが、大体はサイズが30センチを超えたら粗大ゴミになるところが多いです。これは燃える燃えないとか、素材は関係ありません。単純に大きさで分類されます。回収したあとに、我々が粗大ごみセンターで素材別に分別しています。

粗大ゴミは申し込みをしないと捨てられません。勝手に捨てても誰が捨てたかなんとなくわかってしまいますので気を付けて!粗大ゴミは申し込みをしないと捨てられません。勝手に捨てても誰が捨てたかなんとなくわかってしまいますので気を付けて!

以前に、粗大ゴミに出された石油ストーブを担ぎ上げたら、中に残っていた灯油が体にかかって「化学やけど」を起こしたことがありました。粗大ゴミの中に何か残っていないか、しっかり確認してから捨ててもらえたらとてもありがたいです。

あと、「家電リサイクル法」で定められた「家電4品目」とよばれるテレビ、エアコン、冷蔵庫(冷凍庫)、洗濯機(衣類乾燥機)は粗大ゴミには出せません。

購入したお店に頼んで引き取ってもらうか、自治体ごとの捨て方を確認し、「家電リサイクル券」を購入の上、引き取ってもらう必要があります。

パソコンなども、「資源有効利用促進法」という法律ができたため、普通に捨てるのはNGです。リユース企業、家電量販店、メーカー、自治体の回収ボックスなどを利用して持って行ってもらいましょう。

■捨て方が難しい!

イレギュラーな話だと、子供がはくような「光る靴」は、みんなどう捨てればいいのか迷っているみたいですね。どうやっても電池が取り出せないし、迷うのも当然だと思います。

これは「不燃ゴミ」で捨ててください。「靴って不燃ゴミ?」と思われるかもしれませんが、この場合は電池が入っているから電池優先で考えます。もちろん普通の靴は「可燃ゴミ」です。

あとは「マニキュアはどう捨てればいい?」ってすごく聞かれます。基本的には中身が残って液体が入っていたら捨てられません。ではどうしたらいいか?

そのあたりは次回の「捨て方に工夫がいるもの」でお話します!

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!