ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!
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先週の「捨てられないもの」からの続きになりますが、今回は「捨て方にひと工夫必要なもの」についてです。
前回も話題に出た「マニキュア」などの化粧品類は正しい捨て方が分からず、困っている方がとても多いようです。
使い残しのあるマニキュアは、そのままでは捨てられません。まずは中身を古新聞やいらない布にしみこませて容器を空にしてください。空になったビンは「不燃ゴミ」で、古新聞や布はベランダなどで乾かしてから「可燃ゴミ」に捨てましょう。
汚れが付いたままの空きビンはリサイクルできませんので、気を付けてください。
あと、ものすごくよく聞かれるのはお菓子の「プリングルス」の容器の捨て方です。大部分は紙ですが、底の部分だけ金属なんですよね。知り合いの芸人に、捨て方が分からず泣く泣く「チップスター」を食べてる、というやつまでいました。意識が高いんだか低いんだかよくわかりません。
底の金属部分はちぎって取り外すことができますので、金属は不燃ゴミ、その他は可燃ゴミに捨ててください。
あと、「ビニール袋に入ったDMやカタログ」みたいなの、家に届くことありますよね? それをビニールに入ったまま資源として古紙に出す人が結構いるんですが、それは厳禁です。「ちょっとくらいなら」と思われるかもしれませんが、ビニールが混入するとリサイクルできなくなります。
ビニールを外すのが面倒であれば「可燃ゴミ」で出してもらった方がありがたいくらいです。ネット通販の段ボールでビニールが付いたままのものも同様です。もちろん、ビニールを外せば古紙に出していただいて問題ありません。
■古紙リサイクルの大敵
中でも、最もリサイクルの大敵と言われているのが「昇華転写紙」です。なじみがないかもしれませんが、要はアイロンプリントなどで使う紙で、インクが含まれています。
これが緩衝材として靴やカバンの中にクシャッと丸めて入れられていることがあるんですが、古紙に混入すると大変なことになります。たった1枚の昇華転写紙で、トン単位の紙が損失すると言われています。
古紙は熱で処理してリサイクルするのですが、そのときに昇華転写紙に含まれたインクが「アジサイ現象」といってフワーッと広がり、すべての紙をダメにしてしまうようです。
ちゃんとした方ほど靴やカバンを買ったときに紙が入っていたら、きれいに広げて古紙に出そうとしてしまいますよね? ところがこれがNG。素人には見分けがつかないものも多いので、靴やカバンの緩衝材の紙はなるべく可燃ゴミで出すようにした方がいいようです。
■「紙」なのにリサイクルできないもの
他にも分別がわかりづらいところでいうと、ヨーグルトの容器や紙コップもリサイクルできません。ビールの6缶パックの紙もNG。防水処理がしてあるものは、古紙ではなく可燃ゴミに出すようにしてください。
あと、においが付着した紙も古紙には出せませんのでご注意を。例えば洗剤の空き箱なんかがそうです。
「蝋引きの段ボール」というものも、リサイクルに混ざるのは厳禁。6、7月ぐらいにオーストラリアなどの海外から輸入されるフルーツの箱に使われているようで、内側に防水処理用に蝋が貼ってあります。
ですので、これからの季節にフルーツの段ボールを捨てるときには注意が必要ですね。
この話長く続いていますが、来週はペットボトルとプラスチックの捨て方をお話します。
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。