ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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暑い日が多くなってきましたね。我々ゴミ清掃員の間で「夏のゴミは重い」というのは定番の"あるある"です。ゴミは冬のほうが圧倒的に軽いです。

重さの理由は水分です。たとえば、夏のほうがスイカとかメロンなどのフルーツをいっぱい食べますよね? しかも汁が垂れてもいいように、ゴミ箱の上でボトボト汁を垂らしながら食べる人もいると思います。フルーツなんてほぼ水分ですから、ゴミも重くなります。

コロナで外出自粛が求められていた時期は、みなさん家で料理をされていたようで、体感的に2倍くらいにゴミが増えて重くなっていました。やっぱり家で料理すると、ゴミの水分量が増えるということなんでしょう。いかに水が重いかということがわかります。なので、生ゴミはしっかり水分を絞ってから捨ててほしいというのが、われわれ清掃員からのお願いです。

以前モデルさんと対談したときに、彼女は生ゴミを触りたくないから「三角コーナーのネットをつまんでそのまま捨てる」と言っていました。気持ちはよくわかりますが、ゴミに水分が多く含まれると我々清掃員が重くて困るというだけでなく、いろんな弊害がおきるんです。

水分が多いと菌が繁殖しやすいのでニオイが出やすくなるということもありますし、他に環境的なことでいえば、ゴミが重ければ運搬するのにエネルギーがかかる、つまりガソリンが多く必要になります。

また、燃やすときにゴミが湿っていると、水をぶっかけながら燃やすのと同じことになります。それにより燃焼時間が長引けばCO2を多く排出しますし、短時間で燃やそうとすれば重油を投入しなければいけません。

この重油もガソリンも、みなさんの税金からまかなわれることになるわけです。

要は、使わなくてもいい税金を使うことになってしまう、だからみんながゴミの水分を絞れば、税金を節約できるということにもつながるんです。

手つかずのフルーツがゴミに出ていることも。もったいない!手つかずのフルーツがゴミに出ていることも。もったいない!

■こうやって水分を減らそう

ゴミの水分を減らすのは、そんなに難しいことではありません、水分を含んだゴミは、一回ギュッと絞ればそれでいいんです。生ゴミの80%は水分と言われていますから、それだけでもやらないよりは、ゴミはかなり軽くなります。

僕が対談したモデルさんのように濡れた生ゴミを触りたくない人は、そのためのグッズも売っています。絞り器にゴミを挟んでギュッと絞るだけ。それだけでニオイも抑えられるし、雑菌は水分で繁殖しますから、衛生的に暮らすこともできます。

まれに生ゴミを冷凍させる人がいます。凍らせておいてゴミの日に出すんですが、僕たちが回収する頃には溶けてドロドロになってます。凍っている間はニオイも出ずにいいでしょうが、僕たちは溶けて一番最悪の状態で回収することになるわけで、これはマネしないでもらいたいですね。

あと、主婦の方向けに話をすると、野菜をまず初めに洗う方がいますが、例えば大根は最初に皮をむいてから、そのあとに洗えばいいんです。皮自体は濡らす必要がありません。ホウレン草も切ってから必要なところだけを洗う。そうすればゴミに含まれる水分も少なくてすみます。

この連載を主婦の方がどれだけ読んでいるか、分かりませんけど(笑)。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!