ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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ここ最近、清掃業界も女性の働き手を増やそうという動きがあるようです。

先日、某新聞社から「足立区には、ドライバーも作業員もすべて女性のゴミ回収チームがいるんですが、どう思われますか?」と取材を受けました。

現状、ゴミ清掃はほぼ男性社会ですので、女性社員が一気に増えるのはなかなか難しいかもしれませんが、働きたいと思ってくれる女性がいれば、ぜひ受け入れたほうがいいと思っています。

僕はゴミに関する情報を発信するTwitterをやっているのですが、そこでは圧倒的に「化粧品の捨て方」に関する質問が多いです。香水やマニキュアの空き瓶はどうやって捨てるのが正解ですか?みたいなことを、毎日のように聞かれます。

なんでだろう?と思っていたら、ゴミの捨て方を指南するパンフレットやサイトに、化粧品の捨て方が載っていないんです。

おそらく、そのパンフレットやサイトを作るチームに女性が参加していないんじゃないでしょうか。ひとりでも女性がいれば、「化粧品の捨て方も載せましょう」という意見が出ると思うんですよ。

生理用品の捨て方を聞かれることもあります。本当に見られたくないものは半透明のゴミ袋にそのまま入れないで、小さいレジ袋とか紙袋に入れればいいですよ、と話します。多くの地域でゴミ袋は「半透明」がルールになっているので、中身が見えないように捨てるのはルール違反?と思う方もいるようです。

その他にも、髪をクルンと巻くヘアアイロンの捨て方も載っていません。一方でドライヤーは載っているので、やはり男性中心に作られたパンフレットなのでしょう。「タイヤは捨てられません」と書いてある所なんか、まさに男性の発想のように思いました。

分別してくれたのはありがたいのですが、袋を縛ってもらわないと全部風で飛んじゃいます! 分別してくれたのはありがたいのですが、袋を縛ってもらわないと全部風で飛んじゃいます!

女性の発想でなければわからないことは、他にもたくさんありそうです。今後のゴミ捨て指南情報は、女性の目線も入れた上で作ってほしいものですね、男性だけでは気づかないことがたくさんあります。

そう考えると、やはりゴミ業界には女性目線が圧倒的に足りないです。粗大ゴミを持ち上げるのは男性の方が得意かもしれませんが、女性にしかできない仕事もたくさんあります。そうなれば、この業界ももっとよくなるでしょう。

レンタル店でエロビデオを借りるときに、女性店員だと恥ずかしいからやめとこう、みたいな経験ありますよね? だから「ここの集積所、女性作業員が回収に来るからな」みたいなことで急に集積所がきれいになる、なんてことがあるかもしれませんし、ゴミを捨てる側の意識も変われば、生ゴミの汁だってしっかり絞って出してもらえるかもしれません。

ゴミを回収する人間のことも想像してもらえる世の中になれば、我々清掃員はさらに気持ちよく働くことができそうです。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!