ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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テレビ朝日系列で放送中の『~なぜここにいるの?~ごみ物語』(毎週木曜深夜2:13~)という番組に出演しています。さらば青春の光・森田、岡野陽一の3人で街を歩いて、路上で見つけたゴミにまつわる物語を空想していく、という内容の番組です。

とても面白いので、ゴミに興味のある方は是非一度見てもらいたいんですが、この番組に出たことで、街によって落ちているゴミの特性が違うということに改めて気づきました。

以前、「引越しを考えている街があれば、そこのコンビニのゴミ箱を見ましょう」と話したことがありますが、ゴミは的確にその土地の状況を表しています。

例えば池袋。皆さんご存じの通り、かなり大きい繁華街です。ちょっと歩いただけで、風俗情報誌や栄養ドリンクがやたらと捨てられていました。

きっと風俗情報誌を買って栄養ドリンク飲んで、気合いを入れて繰り出したんでしょう。で、結局どっちもそこらへんに捨てちゃったという。ゴミを見れば「酔っ払いが多そうだな」とか、その街の人々の姿が見えてきます。

おじいちゃん、おばあちゃんが多い巣鴨や大塚には、ほとんどゴミは落ちていませんでした。銀座はさらに清潔な街で。飲み屋もあるし酔っ払いも多いと思うのですが、街としてのプライドなんでしょうか? クラブの前なんか綺麗なもので、まさにチリ一つ落ちていない。

こうやって比較してみると、「金持ちのゴミは少ない」という理論にさらに自信を深めました。雑多に人が集まるところほど、その街の目的に応じたゴミが多く落ちていました。

よく考えればわかりますが、それでも一瞬ハッとしますよね よく考えればわかりますが、それでも一瞬ハッとしますよね

■ゴミが少ないと長寿になる!?

範囲を広げて都道府県の話になりますが、ひとり当たりのゴミ排出量が少ない県って、「長寿ランキング」上位に入ってるんです。

ゴミが少ない県は上位から京都・長野・滋賀・神奈川・東京(総務省資料より)という順ですが、男性の平均寿命は滋賀・長野・京都・奈良・神奈川(厚生労働省資料より)となっています。

かなりリンクしていますよね? 関連性の証明はされていませんが、どうしてなのか、自分なりに考えてみました。

一度大きな環境問題が起きたり、そもそも環境問題に対してしっかり取り組んでいる都道府県は、ゴミが少なくなる傾向にあります。

滋賀県は、以前に琵琶湖に廃水を流して赤潮が発生してしまったときに、県民運動がおきたことがあります。そういうことがあると、自分たちが住む地域の環境を考えるきっかけになります。環境を考えるということは、人間の健康を考えることと直結し、その結果が長寿につながったのではないでしょうか?

環境のことを考えれば当然ゴミは少なくなり、健康のことを考えれば寿命も延びるはずです。

人が住む地域の環境と健康は、ちゃんとリンクしているんです。ゴミを減らせば寿命も延びる、まだまだ理論としては成立していませんが、そんなことが証明できるようにみんなでゴミを減らしてみるのはどうでしょうか?

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!