自動車保険の保険金不正請求問題により、大炎上を続ける中古車販売大手「ビッグモーター」。ついに監督官庁である国土交通省が動き出したが......。
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浅ましい。中古車販売大手「ビッグモーター」の話である。
7月25日、ビッグモーターの兼重宏行社長が、顧客のクルマを故意に傷をつけるなどし、自動車保険の保険金を不正請求していた問題の責任を取り辞任すると発表した。
だが、この会見で兼重社長は、責任を社員になすりつけるような言動を繰り返したため、批判や失笑のコメントがネットに殺到。まさに火に油を注いだ形となり、依然としてビッグモーターは"火だるま"状態から抜け出せていない。
ご存じのように、この不正問題は日常的に複数の従業員が関わっていた。しかも、ゴルフボールを入れた靴下で顧客から預かったクルマのボディを叩くという常軌を逸したケースも明らかになっている。実に下衆で悪質な行為だ。
ビッグモーターは、こうして顧客のクルマを傷つけることで保険金をせしめていた。もちろん、その狙いは売り上げのかさ上げだ。フツーに考えて詐欺である。別の言い方をすれば犯罪だ。いずれにせよ、言語道断の所業である。
一方、自動車関係者からは国に対する厳しい声が飛んできた。
「監督官庁である国土交通省がビッグモーターへの聞き取り調査を開始したけど、正直言って遅きに失した感がある。もっと早く本腰を入れないと」(関係者)
確かにビッグモーターの不正問題が明るみになってから、すでに数ヵ月が経っているが......。
「そもそもクルマは"走る凶器"になりうるし、人間が命を託す乗り物でもある。当然、ズサンな点検や整備はありえない。国はビッグモーターの問題に関して、スピード感を持ちつつ、キッチリと総点検すべきです」(関係者)
国の対応をシッカリ注視したい。