ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!
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この夏、ラムネを飲んだ方いますか? 大人になってから飲む機会がめっきり減りましたが、子供の頃の夏の定番の飲み物といえば、ビンに入ったラムネでした。そんなラムネですが、今年5月、「マルキョーラムネ」という飲料メーカーでは製造が終了してしまったそうです。
なぜ終了したかというと、ラムネのビンの製造が中止になってしまったからだと。ここ数年で、いくつものメーカーがラムネのビンやラムネの製造を終了しているようなのです。
ペットボトルの普及などで需要が減ったことが要因の一つだそうですが、ビー玉が入ったあの特徴的なビンはほとんどがリターナブルで、環境にめちゃくちゃ優しいシステムなんです。
「リターナブルビン」というのは、使ったビンを回収して洗浄し、繰り返し使うというものです。日本酒の一升瓶とかビンビールとか、ホッピーもそうですね。新たなものに作り替える「リサイクル」とはちょっと違います。
そこで、ビンビールに関して知っていたら居酒屋に行くのが楽しくなる、ちょっとした豆知識をお教えします。
工場でビンビールが運ばれるとき、コンベヤの縁がビンに当たって側面にラインがつきます。そのラインが濃ければ濃いほど、何回もコンベヤにのっている、つまり何度もリターナブルされている、ということになるんです。
ビールのビンにくっきりラインがついているものを見ると「これ、リターナブルだ」と感じることができると思います(工場のシステムの違いから、一部メーカーのものにはついてない場合があります)。ちなみにビールビンは、リターナブルでも7回が限度だそうです。
■環境にやさしい「ビン」
リターナブルやリサイクルをするとき、回収したビンは「瓶洗(ビンセン)」という、洗浄のための工場に入ります。
洗浄する過程で、ビンについているシールは全部はがれます。なので、ビンを資源に出す場合でもシールははがさなくて大丈夫です。きちんと分別していただける方がしっかりシールをはがしているのを見かけますが、今後はそのまま出していただいて問題ありません。
ビン資源回収の際、僕たち清掃員がリターナブルのものは別に分けていますが、数が多いと見落とすこともありますので、リターナブルのものはなるべく酒屋さんなどに回収してもらってください。
僕が清掃業を始めた11年前は日本酒の一升瓶が多かったんですが、最近は少なくなりました。今はワインが圧倒的に多いですね。
学校給食の牛乳も昔はビンでしたよね? 重いし割れる可能性もあるということで今はパックに変わっています。
飲料容器の主流はペットボトルですが、ビン業界もリターナブルなどが環境的にいいということで見直されてきています。
ちょっと前にポカリスエットがオシャレなリターナブルビンを出しましたが、あまりにオシャレだからあまり返却されないらしいですね、家に飾っておきたいっていう。まあ、捨てるよりはいいですよね。
コーラのビンも、昔と比較すると軽くて丈夫なものに変わっているそうです。
圧倒的なシェアを誇るペットボトルですが、分解されるまでに450年かかると言われています。海に流されたペットボトルが消えるのが450年後。もし織田信長の時代にペットボトルがあったら、やっと今頃分解されることになるわけです。
「分解される」と言ってもこの世から消えるという訳ではなく、細かくなってプラスチックが目に見えなくなるだけで、プラスチックとして自然に還ることはありません。
こんな時代だからこそ、繰り返し使えるリターナブルビンを見直してみてはいかがでしょうか?
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
公式X(旧Twitter)【@takizawa0914】
※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。
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