ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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先週「あなたのゴミを採点します」という企画をやりました。とても面白かったので、評判が良ければまたやろうと思っているんですが、そのなかで「プラスチックのストローはプラ資源? 燃えるゴミ?」という質問を受けました。

そこでも答えたのですが、プラスチックのストローは今のところ燃えるゴミに分類されます(東京23区)。

プラスチック製なのに、なぜ資源ではないんでしょうか? その答えは法律にあります。「容器包装リサイクル法(容リ法)」は1997年から施行されたもので、当時のゴミの容積の約6割を「容器包装廃棄物」が占めていたため、これをリサイクルするために作られた法律です。

「容器包装」というのは、商品を入れたり包んだりするもので、中身が消費されたら不要になってしまうものを指します。

例えば、ビニール袋に入ったストローの場合、ストローを包装しているビニールはプラスチック資源、中身のストローは可燃ゴミになる、というわけです。

最近はペットボトルを資源として分別する習慣が浸透してきたと思いますが、ペットボトルも「容器包装」に当たるものなのです。

「容器包装」であれば、ペットボトルやプラスチックに限らず、ジュースなどが入ったアルミ缶やスチール缶、ガラス瓶、紙パックも該当しますし、商品を梱包する段ボールや紙の箱も、この法律によってリサイクルが求められています。

つまり、法律で容器包装に関する資源を集めているわけです。ただ、この法律にプラスして新しく「プラ新法」というものができたので、プラに関しては「容器包装じゃないプラスチックも集めよう」という動きがあります。そうなればストローも容器包装ではなく資源として扱われるようになるのかもしれません。

■資源の見分け方の落とし穴

では、これらを資源に出すときにプラなのか紙なのかペットなのか? それを見分けないといけませんよね。そんなときには「プラ」「紙」などと書いてあるリサイクルのマークをみて分別する方がいると思います。

ただ、このマークの意味をちゃんと知っていないと、分別の落とし穴にはまってしまうことがありますので注が必要です。

これらのマークは、製品を製造している会社が「リサイクルに協力してますよ」ということを証明するためのマークなんです。要は、ただ製造して売っているだけじゃなく、リサイクルにも協力してますよということを証明するため、リサイクル団体にお金を払って認可を受けた証なわけです。

アクリルスタンドも大好評だった、男前の秀-SHU- アクリルスタンドも大好評だった、男前の秀-SHU-

このマークが誤解を生むのは、あくまでも企業側が「リサイクル協力の認可を受けた」というサインなだけであって、僕たち消費者に向けたものじゃないというところです。

例えば保冷剤を見てみると「プラ」というリサイクルマークがついていますが、周りの素材がプラスチックなだけで、中身の高吸収性ポリマーはリサイクルされるものではありません。したがってプラ資源には出せないんですが、「プラ」と表示しているんです。

「紙」も一緒で、「紙」という表示があっても裏側に銀が貼ってあるものは紙資源には出せません。ただ、紙の部分が多ければ「紙」と表示するのがルールになっているようなんです。

このマークを頼りに資源の分別をしている方はたくさんいらっしゃると思いますが、これは分別の目印ではないんです。すごくややこしいですよね。

僕たち消費者のためにも、こういった小さなルールもわかりやすく改定してもらいたいものですね。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
公式X(旧Twitter)【@takizawa0914】

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

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