ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!
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先日、テレビプロデューサー・佐久間宜行さんのYouTubeチャンネル「NOBROCK TV」に、僕たちマシンガンズが出演しました。企画は「マシンガンズ滝沢が裏ではゴミに取り憑かれていて、目に見えるものすべてがゴミに見えていたら?」というドッキリ企画です。
ものすごく面白いのでぜひ見てもらいたいんですが、そこで起きたドッキリの世界の出来事にも、現実世界で似たようなことがあるな、と思いました(わかりにくいかもしれませんが、ぜひYouTubeをご覧ください!)。
今から15年くらい前の話ですが、ネタ番組に呼ばれると、しっかり製本された分厚い台本がひとり一冊、ちゃんと配られていました。自分の出番はその中で1ページぶん、しかも「マシンガンズ ネタ」と書いてあるだけ(笑)。これ全員分渡す必要あるかな?って当時から思っていましたが、番組の後半にはやっぱりなくなっていました。
お弁当も豪華なものが半端ないくらいの数用意されていましたし、お金も勢いもものすごい時代でした。今ではお弁当は必要な数だけ用意されていて、無駄が出ないようになっていることが多いです。
僕たちマシンガンズは『THE SECOND』で準優勝して以降、いろんな番組に呼んでいただき、大物芸人の方とも共演させていただく機会が増えたんですが、みなさんに共通して言えるのは、楽屋の使い方がすごくキレイということです。
特に中年のベテラン芸人から上の世代はみんな上品です。じっくり見たわけではありませんが、楽屋を散らかしっぱなしで帰る人はほとんどいないように思います。「金持ちのゴミは少ない」に通じることだと思うんですが、「売れている芸能人は楽屋がキレイ」ということですね。これはぜひ自分もマネしたいと思っています。
■無駄をお金に替える取り組み
芸能の仕事場以外でも「ちょっと無駄だな」と感じることがいくつかあります。僕には子供が2人いて同じ学校に通っているんですが、2人が全く同じプリントを持って帰ってくることがあって、そんなときは「1枚でいいのに」と思ってしまいます。
地域によっては、学校からのお便りが電子で配信されているところもあるようで、そうなれば紙のムダが出なくていいですよね。
ドイツには「エコプロフィット」という取り組みがあるそうです。どういうことかというと、例えば中学校で子供たちが「学校の電球をすべてLEDに替よう!」と提案したとします。LEDに替えたら電気代がどのぐらいお得になって、LEDの導入費用はいくらで、何年でプラスに転じるかまで自分たちでちゃんと計算し、その結果実際に浮いたお金は、部活などの活動費に回してくれるんだそうです。
経費削減になるし、子供たちにはエコや経済の勉強にもなるという試みで、とてもいいですよね。
日本でこのような取り組みはまだ聞いたことはありませんが、似たような話でいうと、僕の知り合いに一般企業に勤めている女性がいるんですが、社内で「可燃ゴミに出されていた紙を分別して資源に出そう」と提案したそうです。最初は「そんなことしてないで自分の仕事をしていろ!」と反対されたたらしいのですが、最終的には紙を資源としてお金に替えることができたため収益となり、社内から高い評価を得たそうです。
これは「エコプロフィット」の取り組みに近い話ですよね。組織の中の無駄を省くことで予算を増やす取り組みが、日本でもっと増えてもいいのではないかと思いました。
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
公式X(旧Twitter)【@takizawa0914】
※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。