滝沢秀一たきざわ・しゅういち
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
公式X【@takizawa0914】
ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!
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あっという間に12月も半ば、今年も終わりが近づいてきました。以前も言いましたが、僕たち清掃員は回収するゴミを見て季節を感じることがよくあります。
年が明けてお正月も7日辺りを過ぎると、一気にしめ縄がゴミに出されるイメージがあり、それを見ると「お正月気分もおしまいか」と、少し寂しい気持ちになります。
以前、お正月にはおせち系のゴミがよく出ていました。伊達巻やおせちが箱ごと捨ててあるのをよく見ましたが、最近はおせち自体あまり見なくなりましたし、鏡餅が捨てられている光景もめっきり見かけません。
クリスマスツリーは、クリスマスの後ではなく、逆にクリスマス前によくゴミに出ています。おそらく新しいのを買って、古いものを処分したくなるからなのでしょう。なので、ツリーのゴミを見ると「これからクリスマスがやってくるぞ!」という、少し浮かれた気分になったりもします。
クリスマスのツリーやリース、前に話したドライフラワーなんていうのもそうですが、やっぱりお金持ち地域のほうがよく捨てられているイメージです。外に飾り付けなどをしているのを見ると、お金や時間に余裕があるんだなと感じます。
イベントをやれる余裕があるって、恵まれています。僕なんか子供が小さかった頃は全く余裕がなかったので、気付いたらイベント当日を迎えていて、慌ててプレゼントを買ったりしてました。
また、以前はほぼ新品のクリスマスケーキがバコバコ捨てられていましたが、最近は「食品ロス」という言葉も浸透してきたのか、ほとんど見なくなってきましたね。バレンタインチョコや恵方巻なんかも同じですが、無駄を作らない、買わないということはすごくいいことだと思います。
年末が近づくと、不燃ゴミの回収が先に終わるパターンが多いので、スケジュール的にまるまる1週間以上、不燃ゴミが捨てられなくなるケースがあります。
ただ、年末年始はお鍋を食べることが多くなりますよね? なのでガスボンベのゴミが発生しがちなんですが、すでに不燃ゴミ回収は終了している。だから、可燃ゴミにガスボンベを隠して捨てる人が結構多いんです。
そんなこともあって、「年末のゴミは危ない」というイメージが僕らにはあります。年末の大掃除で、夏に使っていた携帯扇風機を捨てたくなったけど、同様の理由で可燃ゴミに隠して捨ててしまったり。年末は大掃除をする家庭が増えるので、こんなことがよく起きます。
静電気でガスボンベに引火した、という例もありますし、携帯扇風機のリチウムイオン電池も発火の原因になります。隠して捨てるのはとても危険ですので、今年の年末はこの話を思い出して、正しく捨ててもらえると嬉しいですね。
ほとんどの人は年始の回収に合わせてゴミを出してくれますが、その分、年始のゴミはすごい量になります。
一度の回収では終わらないので、応援部隊に入ってもらって何とかすべてを回収しています。お正月はオフィス周りのゴミがそんなに出ませんから、住宅のゴミ回収に回ってくれるのでとても助かっています。
この連載も始まって1年以上たちました。今年の年末年始は、正しくゴミを捨ててくれる人が増えていることを願っています!
※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数
公式X【@takizawa0914】