ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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突然ですが、皆さんは布団で寝ていますか、それともベッド? 今はベッドの方が多いのかもしれません。ベッドにはマットレスが付き物ですが、中に金属製のバネが入っている「スプリング入りマットレス」は、粗大ゴミで捨てられない地域もあるのをご存じでしょうか?

スプリング入りマットレスは、一般的なゴミ処理施設で断裁したりつぶしたりすることができないため、処分するとすればそのまま埋めるしかありません。なので、そういったゴミは「処理困難物」に指定されており、通常のゴミ回収では扱えないんです。

「処理困難物」は、各自治体が適正な処理が困難と判断したものが指定されます。例えば消火器やガソリン、灯油、農薬、ピアノ、石など。何が「処理困難物」かは、自治体によって異なります。

さらにその中で環境大臣が指定した「適正処理困難物」というものがあり、現在は「タイヤ、テレビ、冷蔵庫、スプリング入りマットレス」の4つが指定されています。

皆さんが使っているマットレスにはスプリングが入っていますか? もしそうなら、捨てるときは専門の業者に引き取りをお願いする必要が出てきます。これからマットレスを買おうという方も、捨てるときのことを考えて選ぶのもいいかもしれません。

スプリング入りマットレスを処分する業者の動画を見たことがあります。4人がかりでマットレスを引きちぎり、中の金属製のスプリングを取り出していました。金属部分は金属資源に、マットレスは断裁して可燃ゴミに分類されます。

日本には一台だけ、スプリング入りマットレスを分解する機械があるそうですが、ほとんどの地域では人力です。ものすごく大変な作業で、人でも時間もかかります。

スプリング入りマットレスを処分するために業者にお願いをすると、僕が調べた範囲だと平均7,000~1万6,000円ぐらいの費用感でした。もし粗大ゴミで回収できれば800円ぐらいですから全然違いますよね。

滝沢家のスプリング入りマットレス。これ全部、粗大ゴミじゃ捨てられない!滝沢家のスプリング入りマットレス。これ全部、粗大ゴミじゃ捨てられない!

■捨てたくても捨てられないもの

それ以外にも「普通に売っているけど捨てられないもの」はたくさんあります。先ほども言ったように自治体によって異なりますが、自転車やピアノ、オルガン、金庫などいくつもあります。

金庫が回収できない理由はスプリング入りマットレスと似ていて、機械で細かく砕くことができないからです。不燃ゴミは基本、砕いて細かくするんですが、スプリング入りマットレスも金庫も砕く方の刃がやられてしまうので、どうにもできないわけです。

その他にいくつも処理困難物がありますが、我々清掃員はリストがあってそれを勉強しているわけではなく、現場でひとつずつ覚えていきます。

珍しいものが出ていると先輩作業員に聞きます。すると「こんなもの回収できるわけねえだろ!」みたいな感じで教えてもらって、ちょっとずつ覚えていくわけです。

ひとつ覚えれば類似のものに関しては、なんとなくわかってきます。例えば灯油が回収できないとわかれば、ガソリン、軽油、オイル、塗料、シンナーなんかもダメなんだろうなと想像ができます。

だんだん慣れてくると、処理困難物だと認識するより前に「なんでこんなもん出すんだ!」と腹を立てるほうが先になってきます。それでもうっかり回収してしまうと、処理施設で「こんなもの回収してきやがって!」とお説教を食らうこともあります。

我々清掃員でもわからないものもありますので、どうすればいいかわからない場合は必ず自治体のページなどをみて確認してから捨てるようにしましょう。

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!