ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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先週、通常のゴミ回収では持って行けない「処理困難物」についてお話をしましたが、今回は別の角度で意外な危険なごみについてお話ししたいと思います。

東京消防局はいくつかの「指定可燃物」(わら製品、木毛その他の物品で火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるもの・消防法第9条の4)を定めていて、その中のひとつに「小麦粉」を指定しています。

その流れを汲んでなのか、自治体によっては小麦粉の捨て方について注意を呼び掛けているところがあります。もちろん少量であれば問題はありませんが、なんでそんなものを注意しろというのかを解説します。

それは「粉塵爆発」の可能性があるからです。粉塵爆発とは、空気中に舞った粉末類(小麦粉、コーンスターチ、砂糖など)が静電気や火気に触れることで、爆発的に燃焼してしまうことです。過去には小麦粉を製造する工場で大爆発が起きたこともあったようです。

一般の家庭では、そんなに大量の小麦粉を処分することはないでしょうから気にする必要はありませんが、例えばYouTubeの企画などで「大量の小麦粉で〇〇を作ってみた?」的なことをやった後は、注意が必要です。

大量の小麦粉はわれわれがゴミとして回収することができませんし、もっと言えば、何かの拍子で空気中に小麦粉が舞ってしまえば、静電気で引火する恐れもあるので危険です。あまりにも大量の場合、自治体が税金の範囲内で処分するには限界があるということになります。何でも回収できるわけではないということを、頭の片隅に置いてもらえると助かります。

自治体のサイトを見ると、そういった業者の連絡先が載っていたりもしますので確認してみて下さい。

乾燥剤も、タイプによっては水につけると発火の恐れがあるものも。注意!乾燥剤も、タイプによっては水につけると発火の恐れがあるものも。注意!

■粗大ゴミで持って行けないパターン

処理困難物でなくても、我々が回収できないパターンがあります。例えば、粗大ごみ回収時に貼られているシールの金額が足りない場合です。一応、ひとつずつ金額が合っているかチェックしていますので、意外とごまかせません。

ちゃんと貼っていたのにはがれて風で流されてしまった場合でも同様です。決して悪気はないんでしょうが、金額が合っていないと回収できませんので、心配な場合はガムテープなどでしっかり剥がれないように補強しておいてください。

たまにシールを貼るのを忘れていて「コンビニで今買ってきますんで、15分待ってくれますか?」という方もいますが、我々にも回収スケジュールがあるので、それも難しい。

あと、意外と陥りがちな失敗として、他の自治体のシールを貼ってしまった場合です。例えば、自分の勤め先の近所にあるコンビニで粗大ごみ回収券を買って、自宅で捨てる粗大ゴミに貼ったとしても、異なる自治体のシールでは回収できないんです。

もうひとつ、羽毛布団を捨てたいときは、そのまま捨てるとサイズ的に粗大ゴミになります。粗大ゴミ回収にかかるお金がもったいないからと、布団を切り刻んで袋に入れて可燃ゴミに出す方がいますが、これも回収できません。(切って袋に入ればオッケーの自治体もある)。

理由は、羽毛が散らばってものすごく大変になってしまうからです。羽毛布団の回収は通常のパッカー車のように巻き込んでつぶしたりせずに、普通の車やトラックで回収しています。

ただ、僕は常々「捨てられないものは製造者が責任を持って対処しなきゃいけない」と言っています。モバイルバッテリーなんかでもそうですが、時代が進めば『週プレ』などの週刊誌も出版社が回収しなきゃいけない時代が来るかもしれませんよ。

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

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