じゃい

あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第88回】じゃいさん初めまして。私には17歳の息子がおりますが、先天性の脳の機能障害(注意欠陥多動性障害[衝動性優位型]、自閉症、軽度知的障害)があり、小6の頃から家に引きこもりオンラインゲームに耽溺(たんでき)し、課金する金をせびって暴れて警察沙汰になり、何度も何度も入退院を繰り返していて、夫婦ともに精神的に参っています。

あらゆる障害者福祉関係機関に相談して出来る限りのことはしていますが、一向に明るい兆しが見えず、このままでは就労も困難で、恐らく自分が死ぬまで面倒をみないといけないので何とも言えない精神状態で毎日過ごしています。このような状況ですので、少しでもストレスを緩和できるよう、職場にも直訴して昇進を見合わせてもらっています。

あと、自分には息子以外に19歳の専門学生の娘がおりますが、11月から学校に行っておらず、行方がわかりません。警察に相談しても成人で事件性がないことから、相手にされませんでした。

結局、仕事、家庭の問題に関わらず、出来る限りの事をやった後は運命に従うしかないし、世の中どうにもならないものはどうにもならない...とは頭では理解しているんですが、どうしても平常心を保てず、何をしていても心底、心が晴れない日々を過ごしています。

いきなり重過ぎる内容の相談をして恐縮ですが、もし仮にじゃいさんが自分と同じ境遇だと仮定した場合、どのようにしてメンタルを保たれますか? ギャンブルとかけ離れた内容ですみません。いや...自分は、『子宝に関するギャンブル』に負けたような気がします。

一寸先は闇か光明か分かりませんが、自分の運命を恨みたくなるほど、とてつもない手枷足枷を付けられた気がします。こういうことを書いてしまう時点でマイナスな感情的に支配されてるんでしょうが、何とか明るい兆しが欲しいところです。すみません、もしよろしければお答え頂ければ幸甚に存じます。(40代・男性・公務員)

 * * *

質問ありがとうございます。

自分は割と常に最悪な状況も想定するようにしています。しているというより、癖なのか勝手に最悪を想定して生活しています。自分の子供が生まれる時も、障害を持って生まれること、手が付けられない子供になることも考え、心の準備をしました。しかし、今回の質問はその想像をはるかに超えるものでした。

うちも9歳の息子がいますが、かなりのモンスターで自分の思い通りにならないと暴れたりして、近所から苦情がきたこともあります。妻も「耐えられない!」となることが多々あります。

僕は9歳の息子と戦いをします。怒りという感情ではなく、愛の鞭(むち)という躾(しつけ)をしています。幸いまだ力で負けることはないし、それも毎日ではなくたまになので、普段は可愛い息子です。

ところが、今回の相談内容はそれを遥かに凌駕するものでした。うちと比べるのもおこがましいレベルです。

苦しさはなんとなく伝わりましたが、質問者の立場になって考ようとしても、そこはあくまで机上の空論になってしまいます。僕には計り知れない苦しみだと思います。

それでも出来るだけシンクロさせられるように、想像を膨らませて答えようと思います。

まず、脳の機能障害や自閉症となると、通常の対応は通用しないことになると思われます。僕は息子さんとお会いしたことがないので、それがどれくらいのものなのかは分かりません。

自分の子供ですから当然愛情はありますし、責任もあります。もしも子供とマンツーマンなら、自分の人生を捨ててでも子供に寄り添って、少しでも改善するようにしますが、そこには疲弊した奥さんもいますから、そこのケアも必要です。兄弟がいる場合は尚更です。

僕は息子に対しては、大概のことは怒らないし、基本的に放任主義です。でも、妻を悲しませたり、困らせたりした時は怒ります。怒ったことで全てが収まることはありません。むしろもっと暴れたりすることもありますが、彼の将来のことを考えたら意味のあることだと思っています。

綺麗事かもしれませんが、愛は裏切らないと考えています。そこに愛があればきっといつか分かってくれる。その愛に感謝をする時がくる。そして、彼も愛の分かる人になると信じています。

今週のギャンブル格言【愛は心を開く鍵である】 今週のギャンブル格言【愛は心を開く鍵である】

質問者の場合はそれが通用しないレベルかもしれません。世の中には理屈や愛情が通じない人も少なからずいるとも思います。それでも諦めずに抱きしめてあげたいです。悪いことしたら怒ります。戦います。それは全て息子のためを思って。娘さんはそんな弟や家庭に耐えられずに出て行ってしまったのでしょうか? 理由が知りたいです。

一般的に見れば「子宝のギャンブルに負けた」ように見えるかもしれません。それでも、その境遇が自分を強くすることもあります。

そして、この子がうちに産まれて良かったと思いたいです。子供も親も選べませんが、お互いに親子になった意味を見つけ出してほしいと思います。

あくまでも想像で喋っているだけで、僕も同じ立場になったら、精神的におかしくなるかもしれません。匙(さじ)を投げるかもしれません。どれだけ考えても本人と同じようには考えられません。

それでも勇気を出して相談していただいたことに感謝します。もし苦しくなった時、平常心が保てなくなった時はいつでも相談してください。編集部を通じて、個人的に連絡してきてくださっても結構です。

自分ごときが力になれるようなことではないかもしれませんが、力になりたいという想いはあります。

☆じゃいさんに相談したい悩み事を募集します! ペンネーム・性別、相談に必要な情報(年齢や職業など)があればそれも明記し、以下アドレスまで相談内容をメールでお送りください。じゃいさんが「ギャンブル的思考」でアドバイスします!

【jay_sodan@shueisha.co.jp】まで!

じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

★じゃいの「人生は最高のギャンブルだ」は毎週火曜日更新!