ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

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アメリカのカリフォルニア州では2年ほど前から、家庭や事業者が出す生ゴミをたい肥化しなければいけない、という法律ができています。

つまり、生ゴミをそのまま捨てるのはダメで、コンポストなどを利用して土に還してたい肥にしなければいけない、という法律ですね。

バーモント州ではすでに同様の法律ができていて、アメリカではコンポストがかなり推進されてきています。お店などで余ったけれどまだ食べられる食品については、フードロス削減に取り組んでいる団体に寄付することも義務化されているんです。

この話を聞いたとき、カリフォルニア州はすごく意識が高い!みたいなイメージだったんですが、よくよく調べたら、カリフォルニア自体がゴミの埋め立てに関してかなり切迫した状況なため、ある意味で切羽詰まった上での手段だったようです。

日本でも環境問題で苦労した自治体こそ、進んで新しい対策を取っていたりと、事態が切迫して初めて、いろいろな取り組みが進むのかもしれません。

カリフォルニア州では「人体のたい肥化」、つまり死体をコンポストするという法案も進んでいるそうです。ワシントン州などではすでに合法化されているようで、木材チップや藁に死体を埋めると2か月ほどで土に還り、その後遺族に返されるそうです。返された土は庭に撒いたり作物を育てる肥料にしたり、使い方は自由なんだとか。

われわれ日本人からするとなんだか映画の中の話のようですが、アメリカの一部地域では実際に行われています。「火葬は化石燃料が必要なので大気中にCO2が排出され、汚染を引き起こし気候変動の一因となる」というのが、人体をたい肥化する理由なのでしょう。

日本でも近年は無縁仏が増えて、墓石ゴミの不法投棄があるようです。これから先はそういう問題もさらに起こってくるでしょうから、われわれも考えていかないといけないかもしれません。

我が家のコンポスト。生ゴミをこの中に埋めると分解されえ消えてなくなります 我が家のコンポスト。生ゴミをこの中に埋めると分解されえ消えてなくなります

■ゴミを分解する最強の虫

最近、「アメリカミズアブ」の幼虫がゴミ業界で注目されています。

アメリカミズアブは外来種ですが1950年ころから日本でもよく見られるようになっていて、いわゆるハエのような生き物です。幼虫は高たんぱくで栄養バランスがよく、近年注目されている昆虫食の材料としても使われていたり、魚やニワトリなどの飼料やペットフードの原料など、様々な商品化が進んでいます。

注目すべきはこのアメリカミズアブの幼虫には生ゴミを分解する力があって、20日間あればゴミの容積を半減させることができるそうです。

近年では、食品ロスで生まれた大量廃棄される食べ物を、このアメリカミズアブの幼虫に食べさせてゴミを減らし、幼虫自体は様々な商品に生まれ変わるという新しいサイクルを生み出している会社もあるようです。

中国には、生ゴミを大量のゴキブリに食べさせてゴミを処理する施設があります。約3億匹のゴキブリが、一日で約15トンのゴミを処理しているんだとか。いくらゴキブリが逃げ出だないようにしているとはいえ、近隣住民たちは震えあがっているそうです。

アメリカミズアブの幼虫は、人間が出した生ゴミを食べて育ち、そしてその幼虫自体も昆虫食や家畜などの餌としても機能する。インドネシアなどでもこの取り組みは始まっていて、世界のあちこちで注目されているようです。

昆虫を食べて生活し、死んだ人間はたい肥に生まれ変わる。そんな近未来SFにも感じられる世界が、すぐそこに迫って生きているのかもしれません。

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!