六代目山口組の鍵を握るとされるのが、弘道会系組長だったラーメン店主射殺事件の実行犯。敵対勢力の仕業であることが明らかになれば、激しい報復が開始される可能性も 六代目山口組の鍵を握るとされるのが、弘道会系組長だったラーメン店主射殺事件の実行犯。敵対勢力の仕業であることが明らかになれば、激しい報復が開始される可能性も
六代目山口組の高山清司若頭(76)が意気軒高だ。神戸山口組との分裂抗争は大勢を決しており、他団体との外交にも積極的だ。七代目襲名説も俄然、熱を帯びている。

■葬儀後の"ヤクザサミット"

去る1月17日、その姿は千葉県流山市の寺院にあった。住吉会の特別相談役だった七代目馬橋一家の柴崎靖忠総長の葬儀に、高山若頭は側近幹部らを従えて参列した。杖をついているものの、しっかりした足取りで健在ぶりを組織内外に見せつけた。

「葬儀の閉式後に、住吉会の小川修司会長と稲川会の内堀和也会長とのトップ鼎談が行われました。15分ほどの歓談だったようで、内堀会長は高山若頭を"おじさん"と親しげに呼びながら仲睦まじい様子だったようです」(実話誌記者)

3組織のトップクラスによる"ヤクザサミット"は2016年から行われている。当時は分裂直後のきな臭いムードが最高潮だった時分。高山若頭が服役中だったため、山口組からは司忍組長が出席した。

「任侠界の大組織の首領たちが顔をそろえることで、神戸側へのけん制という狙いが指摘されました。その後、昨年4月にも稲川会主催による食事会が開催され、その模様を写した高山若頭が中心となる写真も流れていて、3組織の親密ぶりとともに山口組の優位性をアピールする場となっています」(前出記者)

■スタバ射殺事件は不問に

"サミット"に続く1月25日には、愛知県瀬戸市で司忍組長の82歳の誕生日会が催され、高山若頭を筆頭に直参組長らが出席。1月14日に愛媛県内で、六代目側関係者とみられる男性が、抗争相手の池田組若頭・前谷祐一郎容疑者(62)に射殺される事件が起きたばかりだが、その場は慶祝ムードに包まれたようだ。

「愛媛の事件の被害者は前谷容疑者の子分だったが、離反して六代目側に近づいていた。ただ、六代目側は被害者を正式な組員と認定しないうえで、事件の直接的な動機も地元の祭りでのトラブルが要因だったことから、抗争事件とはみなさないことにしたようだ」(暴力団事情に詳しいA氏)

2019年10月に府中刑務所を出所したばかりの高山若頭。京都市の建設業の男性計4000万円を脅し取ったとされる恐喝事件で有罪となった高山若頭は、5年間にわたって刑に服していた 2019年10月に府中刑務所を出所したばかりの高山若頭。京都市の建設業の男性計4000万円を脅し取ったとされる恐喝事件で有罪となった高山若頭は、5年間にわたって刑に服していた
こうしたなか、高山若頭が七代目を襲名するのではという見方が強まっている。A氏が解説する。

「そもそも、山口組の分裂騒動は、司組長が総裁に直ることでの実質上の隠居を示唆したことから始まったとされる。結局、抗争に入ったためにその話は流れたのだが、神戸はおもだった幹部が抜け落ちて、定期的な会合を開けないほどの瓦解状態に陥っている。

六代目側の実質的な勝利といえる状況なので、これを機に司総裁・高山組長という七代目体制に入るのではないかと囁かれている。その場合、若頭には弘道会会長の竹内照明若頭補佐が就任するだろう。一連の抗争で最も戦功を挙げ、資金面でも潤沢な弘道会ラインで山口組を統率していくのが現実的ではないか。

サミットでも高山若頭が山口組の代表として出席しているように、他団体も山口組の実質的なトップとみなしている。70~80年代の松田組との大阪戦争の終結時のように、一方的な勝利宣言を出して抗争の区切りをつけたうえでの、七代目体制への移行は十分に考えられる」(前出のA氏)

■カギはラーメン店事件

一方で、高山若頭の七代目襲名説に異論を唱える向きもある。捜査関係者が語る。

「ジリ貧とはいえ、神戸(山口組)はのれんを下ろしていないし、池田組や宅見組、絆會などの反六代目組織は残っている。だから、特定抗争指定も解除されない。ヤクザとしての筋目を重んじる原則主義者の高山若頭が、いまの状況のままで七代目に就くとは考えにくい」(捜査関係者)

そして、今後を占うポイントとして次のように指摘する。

「昨年の神戸市内で起こった、弘道会系組長だったラーメン店主射殺事件の捜査がどう進展するか。六代目側は目立った動きをしていないが、もし先日に逮捕された絆會の金澤成樹若頭が、巷の見立て通りに実行犯として再逮捕されれば、メンツのために対価となりうるほどの報復に走らねばならないので、結果的に七代目襲名は先延ばしになる」(捜査関係者)

山口組の歴史をさかのぼれば、代替わりのたびに抗争事件や不穏な憶測が流れてきた。今回もすんなりとはいかないようだ。