渡辺雅史わたなべ・まさし
フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第50回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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2020年3月から始まったウーバーイーツの置き配サービス。コロナがきっかけですが、使い勝手が良かったからでしょうか、コロナによる日常生活の制限が解除されてからも継続されています。というか、ウーバーイーツだけでなく配達業界全体にも広がりました。
置き配をする場合、配達員は注文された方が記した注意書きを見て配達物を置くのですが、その際の指示の方法や指定の場所に置かせる技術がものすごくうまい人と、そうでない人がいます。そこで今回はウーバーイーツにおける「ありがたい置き配の指示」について書いていこうと思います。
配達員に対する置き配の指示には写真やイラストが使用できません。そのため置き場所は文字だけで説明することになります。
置き配に慣れているなと感じる人の注意書きによく書かれているのは、建物の概要です。例えばこんな感じです。
「マンション内にエレベーター乗り場2箇所あり。入ってすぐの乗り場ではなく、奥にある乗り場のエレベーターに乗ってください」
一方、慣れてない方だと「奥の方のエレベーターで来てください」といった感じです。
どちらも意味合いは同じように見えますが、それぞれのエレベーター乗り場に2台ずつエレベーターがある場合、慣れていない方の指示だと、入ってすぐの乗り場の2台あるうちの入口から遠い方のエレベーターに乗ってしまう可能性があります。なので、建物の全体がどのような構造なのかを説明する文章が入っているとスムーズに部屋へ向かうことができます。
そして、慣れている方の場合「ドアの周りに傘が置いてあります。傘の手前に置いてください」など、商品を置く際の具体的な指示がありますが、慣れてない方だと単に「ドアの前に置いてください」といった具合です。
ドア周辺の傘の立てられた手前側(部屋とは反対側)と具体的な指示があれば、置き配完了後にドアを開けた時、部屋側から外へと押すタイプのものであっても商品がドアにぶつかることはありません。一方、後者の指示の場合、部屋側に引くタイプだと思い込んだ配達員がドア前に商品を置き、配達員が立ち去った後、ドアを開けた時に商品とぶつかり、ドリンクなどが倒れてしまう可能性があります。
さらに、よくある指示で危険なのが「ドアノブにかけてください」
店によっては袋の持ち手が小さく、ドアノブにうまくかけられなかったり、強度が弱くてドアノブにひっかけると袋が破れてしまいそうなものもあります。配達員の中には「指示通りにやらないとBAD評価がつけられる」とおびえながら仕事をする人もいるので、このような指示があると無理矢理にでもドアノブにかけようとする人がいます。なのでドアノブ指示は危険です。
また、外国の方の配達員が担当することもあるので、自動翻訳されやすいよう句読点はハッキリつけ、一文を短くするとスムーズに置き配が行なえると思います。「マルハラ」なんて言葉があり、文の最後に「。」をつけない傾向が最近ありますが、翻訳の都合上「。」はつけた方がいいでしょう。
指示のコツさえつかめば、ストレスなく思った通りの場所に置き配できます。皆さんも参考にして置き配を活用してください。
フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。