この夏のウーバーイーツ配達で実践したい暑さ対策を紹介します この夏のウーバーイーツ配達で実践したい暑さ対策を紹介します

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第56回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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2023年、東京都心では最高気温30度を超える「真夏日」と呼ばれる日が64日連続で続きました。

私の昨夏のウーバーイーツ配達記録を確認してみると、64日間続いた真夏日の間に働いたのが33日、配達回数476回、稼いだ金額20万8951円。去年の夏はバリバリ配達しましたが、その経験から得た、この夏に実践したい暑さ対策を紹介しようと思います。

自転車配達で去年の夏から大きく変わったのは、ヘルメット着用の努力義務化です。

現在、私は配達中にヘルメットを着用しています。このヘルメット、蛍光色で頭の部分に穴が開いているため、炎天下で自転車に乗る際に着用しても蒸れないだろうと思って購入しました。

ですが、35度を越える日も当たり前のようにあった去年の夏は、メーカーも想定していない暑さだったせいか中が熱くなり、7月下旬にはランチタイムの配達中にめまいを起こし、まっすぐ歩くことができなくなりました(その日は夜まで配達予定でしたが、昼で切り上げました)。

そんな経験から今年購入したのはハッカ油です。

リュックの中に保冷剤を入れておいてアイスやかき氷などを運ぶ際に役立てつつ、適宜、頭、首、脇を冷やす。なんて対策も考えたのですが、食べ物と頭、首、脇を冷やすものが同じだと衛生面で問題がありそうですし、保冷剤によってリュックの中が結露すると紙袋で渡される料理を運ぶ際に濡れて袋が破れてしまいます。

かと言って、かけるとスーッとする整髪料を体にかけまくって食べ物を配達するのも、あまりいい印象ではありません。そこで、食べ物でもあるハッカ油の入った霧吹きを準備。暑くなったら頭や体に吹きかけることで暑さを乗り切ろうと考えています。

汗対策としては、ハッカ油のほかに、トレーニング用のアンダーシャツを購入。汗を目立たなくしました。さらに東京都の銭湯で使える共通回数券を購入。配達中にいつでも銭湯に立ち寄って汗を流す態勢を整えました。

続いての対策は、リュックの中のダンボールの仕切りを増やすこと。

私が使っているウーバーのリュックは内側に断熱が期待できる素材が使われていますが、思ったほどの断熱効果はありません。そのため、去年はアイスやかき氷の注文をこなすたびに「BAD評価をつけられるのでは」と不安でした。

そこで、スーパーマーケットの一角にあった「ご自由にお使いください」コーナーから拝借した段ボールで仕切りの数を増強。さらにその上から段ボールのフタをかぶせて、アイスがなるべく溶けないようにしました。それでも、結露の問題はまだ解消できていませんが。

それと欠かせないのは、スマートフォンの熱暴走対策。

GPS機能を使う配達員用のアプリは、使用中にスマホが熱くなることがしばしばあります。春、秋、冬は外気にさらせば熱もすぐに冷めるのですが、夏はそうもいきません。放っておくと急に配達員用アプリが強制終了したり、場合によってはスマホの電源が突然落ちてしまうことがあります。

小型のファンを使って本体に風を当て続ければ熱は逃がせそうですが、ウーバーで丸1日働くためには、スマホをフル充電させただけでは足りず、大容量のモバイルバッテリーもフル充電させておかなければなりません。その上、小型のファンを回し続けるための充電池をプラスするとなると、配達もそうですが充電作業が大変になります。

そこで考えたのは定型文のスタンバイ。配達依頼が届いたら「この季節はスマートフォンが熱暴走で機能しなくなる可能性があるので、電源を落として配達します。配達員の現在位置がわからずご不便をおかけしますが、到着までしばらくお待ちください」という定型文を送信して電源オフ。

店に近づいたら電源を立ち上げ、商品を受け取り、配達先を確認したら「現在、お店で商品を受け取りました。〇〇分ほどで到着予定です。再び電源を落とさせていただきます」と送信して、配達先に近づいたら電源を立ち上げる。

このようにスマホに定型文を用意。注文された方へコピペで簡単にメッセージを送れるようにしました。

これだけ準備しても、最近の夏は異常な暑さなので想定外のことが起こりそうですが、この夏もとりあえず交通事故や商品をこぼすことなく、無事に運び切れたらいいなと考えています。

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渡辺雅史

渡辺雅史わたなべ・まさし

フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。

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