年が明け、いよいよ田中将大のメジャー争奪戦が本格化する。

ヤンキース、カブス、ドジャースなど10球団以上が関心を持っていると報じられているが、できればポストシーズン出場が可能なチームで活躍する姿を見たいところ。

昨年の日本球界で世界記録の24連勝を達成したマー君だけに、近年の日本人投手の活躍を見る限り、相当通用する気もするが?

「かなり活躍できると思います」

そう太鼓判を押すのが、09年、13年のWBCで日本代表の投手コーチを務めた与田剛氏だ。田中は昨年のWBCで打たれたことで変化が見られたという。

「WBCでストレートを弾き返された影響か、昨年はカーブ、スライダーを低めにコントロールしてカウントを稼げるようになりました。メジャーではふたケタ勝利、うまくいけば15勝はできるのではないでしょうか」

メジャー移籍1年目から活躍した松坂大輔(15勝)、ダルビッシュ有(16勝)と比べると、どうなのか。野球解説者の前田幸長氏は「ダルビッシュと比べるとわかりやすい」と言う。

「直球のスピードはダルが上ですが、コントロールは田中が勝っています。変化球については、横の変化はダルビッシュ、縦は田中。つまり互角ですね。さらに、田中は三振を取れるスプリット、スライダーという球種を持っているのが大きな強み。15勝くらいできると思います」

ダルビッシュと互角とは、かなり期待できそう。

だが、気になる点もいくつかある。まず、多くの日本人投手を悩ませてきたメジャー独特の“滑るボール”。これについて前田氏は「心配ありません」と説明する。

「日本球界の最近のボールはパサついた感触になっていて、メジャーのボールに近づいています。WBCでも投げているし、すぐに順応できるでしょう」

ならば、ひと安心。でも、メジャーは長距離移動が当たり前。マウンドの硬さも日本とは異なる。そうした環境面の変化に、マー君は対応できるのだろうか。与田氏は言う。

「WBCではどの球場でも対応していました。性格的にも問題ないと思います」

健康管理は、ジュニア・アスリートフードマイスターの資格を取得した良妻・里田まいがいるので心強い。全米での“マー君旋風”に死角なしだ。

■週刊プレイボーイ3・4合併号「2014スポーツ界 この“奇跡”は起きるのか!?」より