ルックスもキャラクターも地味な岡崎だが、チームへの貢献度の高さは群を抜いている ルックスもキャラクターも地味な岡崎だが、チームへの貢献度の高さは群を抜いている

ブーイングが起きて当然の試合内容なのに、まるでアイドルのコンサート会場みたいな雰囲気。改修前の東京・国立競技場で最後の日本代表戦ということで満員になったし、“イベント”としては大成功だったんじゃないかな。

ブラジルW杯メンバー発表前の最後のテストマッチが行なわれ、日本代表はニュージーランドに4-2で勝利した。日本は試合開始からの17分間で4得点を奪ったことで緊張感が切れたのか、その後は一気にペースダウン。後半に入ると、力の劣るニュージーランドに逆襲を許すという、締まりのない試合になってしまった。

特に後半、ずっと悪い流れが続いていたのに、ピッチ上の選手たちになんの指示も出さなかったザッケローニ監督は理解できない。彼は自分の職業を忘れてしまったのかな。ブラジルW杯に向けての強化という意味では、乏しい内容の試合だった。

何より心配なのは、チームの中心となるべき香川と本田の状態がかなり悪いことだね。

マンチェスター・ユナイテッドでベンチ暮らしの続く香川は、前半に自らドリブルで仕掛けてPKを奪い、得点を決めたけど、それだけ。以降は消えてしまった。

一方、新天地のACミランで活躍できず、イタリアで批判を受けている本田も、いつもの彼じゃなかった。ミスパスは多いし、ボールもキープできない。最後は足が止まっていた。

ふたりには、「今は所属クラブで少しうまくいってないけど、日本代表ではちゃんと活躍するから心配するな」というプレーを見せてほしかったのに。本調子には程遠いプレーを目の当たりにして、むしろ不安が大きくなってしまった。

明るい材料はドイツのマインツで好調の岡崎

明るい材料といえるのは、ドイツのマインツで好調の岡崎が、この試合でもいい動きを見せ、しっかり結果(2得点)も出したこと。彼は計算の立つ選手だね。

単純なボール扱いはほかの選手ほどうまくない。本人もそれはわかっているはずだ。でも、動き方を工夫して、常に相手のDFラインの裏を狙い、守備でも手を抜かない。自分ができるプレーを愚直に繰り返している。だから、スランプらしいスランプもない。

ブラジルW杯予選でも、昨年のコンフェデ杯でも、大事な試合で得点を決めた。ゴン(中山雅史)に憧れているそうだけど、あの泥くさいプレースタイルは本当にそっくり。僕が相手のDFだったら、一番いやなタイプの選手だ。

ニュージーランド戦の2得点で、岡崎の国際Aマッチ通算ゴール数は38点となり、釜本(邦茂)さん、カズ(三浦知良)に続いて歴代3位となった。トップではなくサイドでの起用がほとんどで、PKもFKも蹴らないのに、大したものだよ。

ところが、ニュージーランド戦翌日のスポーツ紙の1面を岡崎が飾ることはなかった。テレビも新聞も取り上げるのは本田ばかり。確かに、本田に比べれば、岡崎のキャラクターは地味だ。でも、大事な代表戦の翌日までも話題性最優先で、活躍できなかった選手を持ち上げる日本のスポーツ報道のあり方には首をかしげるね。本田も、イタリアに比べて居心地がいいなと思ったことだろう。

こんな状態でブラジルW杯で戦えるのか。ひょっとして、危機感を持っているのは僕だけなのかな。

(構成/渡辺達也、写真/益田佑一)