2014年のプロ野球が開幕したばかりだが、すでに来季の新監督がウワサされる2球団がある。それが、巨人と阪神だ。

「万が一、7月あたりの時点で3位以下に低迷していたら、『松井秀喜監督へ』という見出しが出始めるでしょう。昨季でリーグ優勝回数が6回となり、長嶋茂雄終身名誉監督を抜いた原監督は、『2年連続Bクラスでもない限り、辞めどきは自分に決めさせてもらえるだろう』と思っていたフシがあったんですけどねえ」(スポーツ紙記者A)

ところが、今や渡邉恒雄会長以下、読売グループ全体が「松井監督歓迎ムード」になっているという。今年の宮崎キャンプのお客さんが昨年より4万人も増えたのは、間違いなく臨時コーチを務めた松井見たさであり、そんな状況から、さすがの原監督も腹をくくったというのが記者たちの見方だ。

一方の阪神は、和田監督が就任してから2年間でリーグ5位、2位。一見、和田体制が実を結びつつあるように見えるが、実際は昨年もペナントでは巨人に歯が立たず、CSは広島に2連敗で終了。日本一にはほど遠い、というのが実情だ。

開幕直前の激励会では、坂井信也オーナーが「非常に危機感を持っている」と檄(げき)を飛し、監督以下、チーム関係者を凍りつかせてもいる。

「関西方面ではもう『今オフ、掛布監督就任』って雰囲気が漂っている。ただ、その掛布DCも、春のキャンプで球団からの評価は下がったような気がする。『4番は誰』とか、『誰々はこう使うべきじゃない』などとたびたびコメントして、記者連中は喜んでいたけど、キャンプ中旬の時点で球団から『しゃべりすぎ!』とくぎを刺されたらしい。それ以後、ピタッと歯切れのいい発言が消えた(苦笑)」(スポーツ紙デスク)

松井は巨人のやり方に反発?

巨人・松井監督、阪神・掛布監督が誕生すれば、幅広い層の野球ファンが喜びそうだが、実はそうスンナリといきそうもないという。前出のスポーツ紙デスクが続ける。

「どうでもいい話だけど、宮崎での約2週間、松井は最後まで『YG』マークの帽子をかぶらなかったよね。ところがその後、ヤンキースのキャンプへ同じ臨時コーチとして行ったときは、ちゃんと帽子をかぶっていた。あれは、巨人にムリヤリ呼ばれたことに対する反発じゃないか、という見方もあるけど」

明らかに“客寄せパンダ”にされたことに対する松井なりの反抗か? また、ゼネラルマネジャー付育成&打撃コーディネーター(DC)として昨秋から現場復帰した掛布についても、こんな声が上がっている。

「一二三(ひふみ)や森田、北條など掛布さんの指導を受けた若手が、みんな伸び悩んでいるのも気にかかります。どうも掛布さんは、打撃理論をわかりやすく噛(か)み砕くんじゃなく、難しい表現で伝えて混乱させてしまうらしい。ベテランなら理解できても、若手じゃ消化不良を起こしてしまう」(スポーツ紙記者B)

巨人、阪神、それぞれのファンの声はどうだろうか?

■週刊プレイボーイ15号「プロ野球記者覆面座談会『ぶっちゃけ、どの球団も“火種”だらけですよ!!」より