楽天の星野監督が、国指定の難病「胸椎黄色靱帯骨化症(きょうついおうしょくじんたいこっかしょう)」と、以前から患(わずら)っていた椎間板ヘルニアの併発を理由に休養を発表したのは5月26日。現在は都内の病院に入院中だが、「持病の糖尿病の影響で、手術に踏み切るメドが立たない」という情報も一部で流れている。
「実際のところ、球団も今季中の復帰は計算していないでしょう。年内は完全休養し、来年の春季キャンプで姿を見せられるかどうか、というところでは」(パ・リーグ関係者)
ただ、今季はまだ80試合以上残っている。成績不振ではなく病気が理由とはいえ、シーズンの大半を佐藤監督代行(本来は投手コーチ)に任せ、それでも監督の座に居続けるとなれば異例の事態だ。
「普通なら監督を辞任し、代行ではなく正式な後任監督の下で再スタートを切るというのが自然な形。それなのに星野監督が辞任せず、休養にあたって『絶対に復帰する』という強いコメントまで発表した大きな理由は、後任監督の人選の問題です。
楽天の絶対権力者である三木谷浩史(ひろし)会長は、“デーブ”こと大久保二軍監督が大のお気に入り。彼の一軍監督就任を望んでいます。ところが、星野監督はその大久保氏と犬猿の仲。間違っても監督の座を譲る気はないようなんです。昨季も一部で『優勝を花道に勇退するのでは?』といわれながら、結局続投を決めたのは後任問題が理由とみられています」(前出・パ・リーグ関係者)
とはいえ、現在のチーム状態は決して芳しくない。星野監督の休養後も4勝8敗と負けが先行し、借金は増えるばかり。このままズルズルいくようなら、「監督不在」がクローズアップされるのも時間の問題だが……。
「場合によっては、球団が大久保氏以外の人物を立てて星野監督の承諾をとり、監督交代に踏み切るという“ウルトラC”も考えられる。ただ、それも病状がハッキリして、現場復帰が困難という判断が下ったとき。具体的にはシーズン終了後になるでしょうね」(前出・パ・リーグ関係者)
ちなみに、成績不振で同じく監督が休養した西武の場合、今後のでき次第では田辺監督代行がそのまま監督に“昇格”する可能性もあるという。しかし楽天は、佐藤代行自身が「オレは監督のガラじゃない」と、その気ゼロ。このモチベーションの差がどう影響するか? 6月11日現在、5位・楽天と最下位・西武はわずか0.5ゲーム差だが……。