ハルク・ホーガンに名前を呼ばれ、WWEのリ ングへと歩む姿(7月12日・大阪)。KENTAなら絶対に夢をつかんでくれる!

プロレスラーにとってのメジャーリーグ、米国WWEに、ノアで活躍していたKENTAが入団することが正式に決まった。KENTAと契約を交わしたWWEとは、世界最大のプロレス団体である。

1999年にNY証券市場上場を果たし、時価総額は現在900億円以上。全世界で年間320回以上のライブイベントを開催し、テレビ番組は毎週、全米1400万人が視聴している。世界150ヵ国以上、30以上の言語でも放送中だ。キャラクターグッズは世界200社以上とライセンス契約を交わし、2010年の売り上げは約1050億円を記録した。

そんな巨大王国WWEを支えるのは「スーパースター」と呼ばれる屈強な男たちである。もちろん、誰もが簡単にそのリングに立てるわけではない。レスリングといったほかのスポーツで輝かしい実績を誇っていても、厳しいトライアウト(入団テスト)を受け、適性と実力を認められなければ、生き残りをかけた戦いに参加すらできない。

これからKENTAは、NXT(ネクスト)でWWEのキャリアをスタートさせる。NXTは、野球でいえばマイナーリーグに当たる下部組織で、約200人が所属。そこで実力を発揮できなければ即解雇となる。だが、ここで観客の支持とWWE幹部たちの関心を集めることができれば「スーパースター」と呼ばれるようになり、定期的にライブイベントのアンダーカード(前座試合)に出場できる。ここまでのし上がれたら、年収も3000万円を超える。

そのスーパースターと呼ばれる男たちは70人ほどいるが、ここからがさらに難関な道。ライブイベントで観客の熱狂を浴びるパフォーマンスを繰り広げられるようになると、ピラミッドの頂点「ロースター」の領域に入れる。その領域に至ればWWEのテレビ番組に毎週出演でき、絶大な知名度と栄誉を手にできる。現在、その領域にいるのは約30人。彼らの年収は、なんと平均5億円だ。KENTAが最終的に目指す場所は当然、ピラミッドの頂「ロースター」なのだが、そこまでには実力に加え、「強運」といった不確実なプラスアルファも必要になってくるから厄介だ。

でも、心配は無用だ。WWE関係者によれば、すでに評価の高いKENTAなら、約1ヵ月でNXTを抜け出し、ピラミッドの中腹、スーパースターの段階に突入できるそうだ。あとはもう運次第なのだが、きっと、ジャイアント馬場さんと三沢光晴さんが、KENTAを頂へと導いてくれるだろう。

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