7月17日、小久保裕紀監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」の一次選考メンバーが発表された。11月の日米野球出場を前提にしたもので、前田健太(広島)、坂本勇人(はやと・巨人)、糸井嘉男、金子千尋(ともにオリックス)、中田翔(日本ハム)、嶋基宏(楽天)と、実力十分の顔ぶれ(のちに巨人・菅野智之、日本ハム・大谷翔平も追加で内定)。
ただ、わずか6名での会見には大きな違和感が残った。
「代表関係者は表向きには『今の時期に発表することに意義がある』と言うが、本音としては、ベンチ入り25名のうち半分くらいは発表したかった。でも、それができない“事情”があったんだ」(スポーツ紙デスク)
昨年、NPB(日本野球機構)は侍ジャパンの事業会社を設立し、収益拡大を図る方針を決めた。サッカーのように代表チームを常設し、従来は大会ごとに募っていたスポンサーと長期契約して儲(もう)けようという狙いで、すでに全日空やJTB、楽天カードなどのスポンサー獲得に成功。とはいえ、肝心の選手がたった6名では……。
「12球団のなかには、小久保監督や多くの国際大会を後押しする読売新聞ばかりにいい思いをさせたくない“反サムライ派”も多い。読売のライバル紙を親会社に持つ中日がその筆頭格で、阪神やソフトバンクも『基本は公式戦で稼げばいい』という守旧派。ロッテ、西武などは『選手の故障が怖い』と及び腰だし、DeNA、ヤクルトはチーム再建が最優先で、そもそも一次選考で呼びたい全国区の選手がいない(笑)」(前出・デスク)
小久保監督の古巣も“反サムライ”?
言われてみれば、一次選考に選手を出したのはいずれも侍ジャパンを支援する側の球団ばかり。それにしても、中日や阪神はわかるとして、小久保監督の出身球団であるソフトバンクも“反サムライ”なの?
「小久保は世間的には“ポスト秋山”の筆頭格かもしれないが、実際にはソフトバンクの現フロントとの関係が悪く、球団復帰は難しい状態。だから、恩師の王貞治さんが『ならば侍ジャパンに』と推した。監督経験はないが、巨人への在籍歴、選手からの信頼の厚さなどを踏まえ、読売もOKしたという経緯がある。当然、ソフトバンクとしては面白くない。小久保監督は、パ・リーグで優勝争いをするソフトバンクから打撃好調の内川聖一、柳田悠岐(ゆうき)あたりを一次選考で招集したいと打診したものの断られたらしい。これ以上の当てつけはないよ(笑)」(パ・リーグ関係者)
今からこんなありさまでは、3年後のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で優勝するなどムリか……。
WBCの興行にも読売が一枚噛かんでいるため、中日あたりを懐柔(かいじゅう)するのは難しいが、せめて有望選手の多いソフトバンクからの協力は欲しいところだ。となると、小久保監督にはさっさと交代してもらうしかない!?