F1日本GPが3年ぶりにフジテレビ系列で地上波放送される。メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのチャンピオン争いが注目されているおかげでもあるが、下位チームにも目が離せない理由がある。
もしかすると、その成績次第では、あわやひと儲けできる?かもしれないのだ。
今年のF1事情をおさらいすると、メルセデスはもちろん、フェラーリやウィリアムズなどの上位チームが華やかな戦いを繰り広げる陰で、下位チームは慢性的な資金難から「消滅」の危機に瀕(ひん)している。
その代表格が小林可夢偉(かむい)の所属するケータハムで、シーズン途中に事実上の経営破綻に陥りチームは売却……。
そのあおりをモロに食ったのが可夢偉で、今や彼のシートはスポンサー資金を持ち込むペイドライバーへの「商品」と化している。ようやく1日になって日本GP出場が正式に発表されたが、ギリギリまでシートが不確定というドタバタな状況だった。
しかも、ケータハムはルノーへのエンジン代未払いに加え、ピレリのタイヤ代も払えない極貧状態だとか……。
この状況は可夢偉だけに限ったことではない。本誌F1解説委員のタキ・イノウエ氏は、ほかにも危ないチームはあると指摘する。
「ケータハムだけじゃありません。ザウバーとマルシャはフェラーリへのエンジン代が未払いらしいですし、ザウバーは事実上経営破綻しているとみる人もいます。また、ロータスの経営もかなりヤバイという話ですから、日本のファンにとっては、今年の鈴鹿が『見納め』というチームもいくつかあるんじゃないでしょうか? 鈴鹿で買った下位チームのグッズは将来、マニア向けにプレミアがつくかもしれませんよ」
先日、F1界のボス、バーニー・エクレストンが「来年のF1は8チーム(現在は11チーム)になるかもしれないが、有力チームが3台ずつ走らせたほうが観客も面白いだろう」なんて言っていたが、まんざらシャレでもないのだろう。
今年で下位チームのグッズは消えてしまうかも……。思い出としても、将来への投資としても、現地に赴いて購入してみては?
(取材/川喜多 研)
■週刊プレイボーイ41号「今年のスズカの見どころは『セナ・プロ』以来のチーム内ガチンコバトル!」より