バトンの活躍を願ってメダルにパワーを送る葛西。「自分のシーズンになったら返してください」というと「また会わなきゃね」と笑顔でバトンが返答

日本のF1ファンが待ちわびた日本GP(~5日、鈴鹿サーキット)が始まった。開催直前の1日、マクラーレンに所属するジェンソン・バトンが『~ジェンソン・バトン×スキージャンプ葛西紀明 トークセッション』に登場。

今回の対談相手である葛西紀明がソチオリンピックで手にした銀メダルと銅メダルを持って現れると、バトンは「スゴイネ、オメデトウ」と片言の日本語で賞賛。しかし、不意打ちの日本語に会場は大笑い。バトンに憧れ、緊張していたという葛西もその言葉に和やかな表情となっていた。

イベント中は、それぞれアスリートとして大切なものなどをトーク。お互いに家族やファンが支えになっていることを語り合った。

41歳という競技史上最年長でメダルを獲得した葛西に、現在34歳で最年長現役ドライバーのバトンは「年齢というのはあくまでも数字でしかないんだなと感じました。やる気を持って努力さえ積めば夢というのはいくつになっても叶うのだと思っています」と、その功績に感嘆。

さらに、「私のキャリアが(今後もレースに)貢献していければいいと思いますし、まだあと2、3年はF1レーサーとしてやっていきたいと思っています」と将来のキャリアを具体的に示唆。ドライバーの低年齢化が年々進むなかで、09年にはワールドチャンピオンとなったものの今季、一度は引退説まで流れ、さらに来年のシートも確定していないバトンだが、葛西に刺激を受けたのかやる気を見せた。

司会の内田恭子とともに「McLaren 650S」をバックにしてトーク。葛西が「これ欲しいんですよ」というと、バトンはバツが悪そうに「モナコでボクが乗っているのと同じです、色も」と告白

3年ぶりの鈴鹿表彰台は無理?

となると、今回の日本GPも期待したいところ。とくに鈴鹿はこれまで全戦完走、11年には逆転優勝し「最高の思い出」のある舞台だから尚更だ。しかし、今季のマクラーレンのチーム成績は6位と不調。

そこで、イベント後に本誌が単独で直撃、真摯に答えてくれたバトンだが、

「我々の車はまだちょっと難しいけれど、今回はアップデートも加えたので、おそらく今の車なら5,6位は狙える。結果がついてくるかは二の次で、車の最大限を出したい」

と、やや険しい顔つきで冷静にジャッジ。にこやかだったイベント中と違い、プロとしての顔を垣間見せるも、「ワールドチャンピオンだった自分にはまだまだ満足できない。後半戦は来シーズンに焦点を当てて、より良くしていきたい」と闘志を滲(にじ)ませ、すでに来季を見据えたチャレンジを意気込んだ。

また、バトンといえば、モデルの道端ジェシカと今年2月に婚約したことが話題になった。今回のレースも道端が観戦に来るというが「自分の一部みたいな感じで見てくれると思う。今年はプライベートもレースも決していい一年ではないけれど、彼女のサポートは大きな力になった」と、彼女への信頼が伺えるスマートな回答で、イケメンぶりを発揮してくれたのだった。

レーサーだからかイケメンだからか、やはりスポーツカーが似合うバトン

(取材・文・撮影/週プレNEWS編集部)