日本男子柔道界に期待の大型新人が現れた! 高校選手権、金鷲旗(きんしゅうき)優勝の高校2冠を達成し、全日本ジュニアでは大学生を倒し優勝。その新星の名は小川雄勢(ゆうせい)。父は元柔道世界王者の小川直也というサラブレッドだ。今回は週プレ独占で史上初の親子対談が実現! 早くも“親父超え”の快挙を果たした息子の活躍に、思わず親父が嫉妬!?
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―日本柔道界期待の新星・小川雄勢くんと、父親で元・柔道世界王者の小川直也さんの世界最強親子対談が実現しました!
小川直也(以下、親父) えっ、俺もしゃべらないといけないのかよ!? 今日は雄勢だけかと思ってたんだけど。まぁいいか。しょうがねえなあ。
小川雄勢(以下、雄勢) よろしくお願いします。
―なんと好対照なふたり!! 雄勢くんは謙虚ですね。それはそうと、雄勢くん! 春の高校選手権優勝、金鷲旗優勝、そして9月に行なわれた全日本ジュニア優勝という快挙おめでとうございます!
雄勢 実は全日本ジュニアの1ヵ月前のインターハイで団体戦、個人戦ともに負けてしまってかなり落ち込んでいたんですが、その後、家族と一緒に旅行をしたり、しばらく柔道から離れて過ごしリラックスできたことがいい結果につながったと思います。
親父 そういう時間も必要。まだまだ現役生活は長いからね。もともとは11月に開催される講道館杯に向けて調整していたから、全日本ジュニアはその過程というか、ケガをせず一戦一戦大切に戦えと言ってた。けど、どんどん勝ち上がるからこっちがビックリしたよ。早々に負けて、一緒に昼飯でも食って帰ろうかなんて思っていたから、その日は朝食抜いていたし、最後はもう腹が減って減ってしょうがなかった!!(満面の笑みで)
親父譲りの豪快柔道で、世界選手権制覇へ!
―お父さんの全日本ジュニア最高成績は3位です。早くも親父超えしましたね。
雄勢 いや、そんなことないです。親父は高校から柔道を始めているので、小さいときからやっている自分と比べるのもちょっと違うかなって。
親父 うん。それは常に雄勢に言ってる。俺は「高校から始めた」というハンデがある!と。まあでも、俺が獲ってない高校選手権でも優勝しているし、抜かれちゃったよね。……けど、俺が世界選手権で優勝したのは19歳のときだからな! リミットはあと1年だぞ。ほら!
雄勢 …………(苦笑)。
―雄勢選手は100キロ超級の体格で、左奥襟を取り圧力をガンガンかけていく豪快なタイプです。全日本柔道男子の井上康生監督は「お父さんとよく似ている」とおっしゃっていましたが、現役時代のスタイルを研究した?
雄勢 いや、特に昔の映像とかは見ていないです。
親父 自然にそうなっていった感じかな。左組みなのも一緒だし。ただ、小さいときから体が大きいから相手の奥襟は持たせるようにしていた。体格の優位を生かさないともったいないからね。
●この続きは、発売中の週刊プレイボーイ44号「小川直也×小川雄勢 世界最強親子対談」にてご覧いただけます!
(取材・文/石塚 隆 撮影/松田嵩範)
■小川直也(おがわ・なおや) 1968年3月31日生まれ、東京都出身。過去に柔道世界選手権優勝4回。バルセロナ五輪銀メダルの経歴をもつ柔道家。現在は「小川道場」の道場長を務め、後進の育成にあたっている
■小川雄勢(おがわ・ゆうせい) 1996年7月20日生まれ、神奈川県出身。現在、修徳高校(東京)3年生。今年、全国高校選手権、金鷲旗で優勝。全日本ジュニアでも優勝し、世界ジュニア選手権の日本代表に選出された