女子用スポーツウエアの王道として20世紀に君臨したブルマ。しかし女のコからの「恥ずかしい」という声。そして90年代のブルセラブームでセクシャルなアイテムとして扱われ、21世紀を迎える前には絶滅状態に……。
しかし、実は学校指定の体操着として消滅しただけで、現在でもブルマは販売されているのだ。少数ながらも、マニア系のショップでは当時と同じメーカーが、同じデザインの商品がラインナップされている。
さらに最近は、ブルマのDNAを受け継ぐ女子用のスポーツウエアがアスリートたちに評価され、ブルマが復権してきているという。
そんな懐かしのビンテージ・ブルマから現行の商品までを大公開!
ビンテージブルマならではの絶景すぎる“逆さ富士”が出現! ゴールドウイン(紺) こちらは1990年代初頭に製造されたゴールドウイン社製・ブルマのデッドストック商品。股間の部分が、富士山を逆さまにしたような造形になるのが90年代初頭に製造されたブルマの特徴だ。ポリエステル素材は速乾性と通気性があり、当時の定番素材。「男性がはいても股間がしっかりホールドされる。これがビンテージものの魅力ですね」(ブルママニア・54歳)
コスプレ専用? ハイレグブルマ登場
土手部分がイージーフィットになった最終形のブルマ Fashioner.(紺) 股間の土手部分の生地をゆったりとさせることで体のラインをわかりにくくした90年代後半のデザインのFashioner.製ブルマ。「このメーカーは緩めのデザインが特徴で、ハイレグ部分も落ち着いています。股部分のゴムも幅広でハミパン率も低いですね」(マニアショップ店員・33歳)
レイヤーに人気!ハイレグ仕様のグラビア用ブルマ Galax(赤・変形) 20世紀から多くのブルマを手がける学販衣料メーカーであるGalaxの現行モデル。「ハイレグと食い込みが強調されたモデルです。これは学校で採用していたブルマのレプリカというより、コスプレやグラビア撮影で使用されることが多いです」(ブルママニア・35歳)
ブルマ通に愛される定番モデルとは?
抜群の密着性で体のラインを強調する老舗メーカーの名品 Matsuura(紺) ブルママニアからは、“通のMatsuura”として親しまれるメーカー。現在でもブルマの製造を続けており、股間部分のデザインは若干ながら“逆さ富士”を感じさせるものになっている。「適度な食い込みとハイレグ具合が懐かしさを感じさせます」(ブルママニア・47歳)
80年代のデザインを踏襲した激ハイレグモデル Cat’s eye(緑) 運動性を追求し、最もハイレグが急角度だった80年代のブルマ。そのなかで最高峰の急角度を誇るメーカーがCat’s eyeだ。「80年代にハイレグが全盛を極め、女子から『恥ずかしい』という意見が集中。90年代半ばからハーフパンツに切り替わっていきました」(ブルママニア・52歳)
アスリートたちにブルマが復活?
関西地区で人気だったスタンダード・赤ブル Galax(えんじ) 「ブルマは紺一択!」 というマニアも多いが、根強い人気を誇るのが赤ブルだ。「関東は紺色が多く、関西地方では赤が人気ですね。場所によっては、学年で紺、赤、緑と色分けした学校もあって、これは撮影が楽しみでしたね(笑)」(ブルママニア・52歳)
デザイン的に原点回帰した最新のアスリート専用ブルマ レーサーブルマ 女子からの意見で学校体育の現場からは排除されたブルマ。しかし、21世紀になると陸上競技をはじめとするアスリートたちから、体に密着して風の抵抗の少ないブルマタイプのウエアが支持され復活。マニアからは、“陸ブル”とも呼ばれ親しまれる逸品である。
ブルマ消滅後の体操着とは?
ブルマとハーフパンツの変換期に生まれたレアな逸品 パンツタイプ(黒) ハイレグの角度がどんどん緩くなったという末期のブルマ。そんなブルマとスパッツを融合した過渡期のモデル。「現在、学校でも採用されていなく、イメージDVDにも登場しませんので、最もレアな体操着かもしれません」(ブルママニア・42歳)
汎用性を重視した体操着としてスポーツ女子に人気のモデル スパッツ(赤) ブルマとはまったく別枠の体操着として陸上、球技問わず使用されるモデル。「パンツタイプと同様に素材が薄く、密着性が高いのが特徴です。特にフロント部分がポイントで、下着を着用しないアスリートは股間のシルエットがクッキリと強調されます」(ブルママニア・47歳)
モデル/谷 麻由理 撮影/古谷 完 スタイリング/KAN(制服、ジャージ) ヘア&メイク/下條秀之(f-me) 取材・文/直井裕太 衣装協力/アキバコム本店3F アスリート館