全67巻&エクストラ号を刊行し187万部の大ヒットを記録したDVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』の冊子コンテンツから、プロレスラーの意外な一面を掘り下げた「俺の趣味!」を復活公開!
“世界一性格の悪い男”鈴木みのるがハマっているブラックバスのルアーフィッシング。「ぶっちゃけ釣れない」と語る、その深遠なる世界とは?
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釣りには種類がいっぱいあって、対象魚によって仕掛けや餌(えさ)も変わってくるし、面白いよ。ちっちゃい頃からありとあらゆる釣りを経験してきたけど、今一番ハマってるのはブラックバスの「トップウォーター・ルアーフィッシング」だね。
たいていの釣りは、対象魚に対する釣り方が数種類しかないんだけど、ブラックバスだけはものすごくたくさんの種類がある。ルアーフィッシングはその中のひとつで、その中でもトップウォーターというカテゴリーが好きなんだ。ここにあるルアーはすべてトップウォーター(水面)に浮かべてブラックバスを釣るためだけに作られている。見た目は完全にオモチャだね。
この特殊な釣り方を楽しんでいる人口は非常に少ない。まさにマニアの世界だね。釣り好きな人にとっても「何これ?」っていうカテゴリーなんだよ。だって、普通のルアーは魚に似てるもんだけど、これはまったく似てないから。こんなんで何が釣れるんだ?って自分でも思うよ(笑)。
ぶっちゃけ、これはあまり釣れない(笑)。餌をつけたほうが釣れる。10回行っても8回は釣れないとかさ……だからもう勝ち負けとかそういう世界じゃなくなっているんだろうな。
ルアーと一緒に風呂に入ってたこともあるよ(笑)
特に「お宝」って呼ぶような物はないけど、今じゃちょっとした財産のように集まっちゃったね。全部で200個くらいは持ってる。平均単価? 1個1万円くらいかな。うわー、総額は考えたくねえ(笑)。子供がミニカーを集めるような感覚かな。子供が「ブオーン」とか言ってミニカーで遊ぶように、ルアーを手にして泳がせるように動かして楽しんだり。一緒に風呂に入ってたこともあるよ(笑)。
眺めて楽しむためだけのルアーも100個くらい持ってて、それは一度も使わずに飾ってある。家族を含め、誰にも触らせないけどね。中には100年以上前にアメリカ人がデザインした物もある。もしかしたら作っている人たちだって、これで魚が釣れるなんて固定概念があまりないのかもしれないね。
ブラックバスを知ったのは小学校の3年生くらい。それまではハゼやスズキを釣ってたけど、ブラックバスって名前の響きを聞いたときは「ナニ!?」って思ったよ。だって「ブラック」だぜ。「何、その不良的な感じ!」って。実際、ほかの魚を食っちゃうし、子供心にそんなカッコ良さに惹(ひ)かれたよね。暴走族に憧れるみたいなノリだな。最近は、ブラックバスは生態系を壊すと言われて駆除の対象になってるけど、俺の楽しみが減るからヤメてほしい!(笑)
もちろん、普通に釣れる釣りもやるし、その辺の釣り堀にも行く。釣った魚は自宅で捌(さば)いて食べるときもある。巡業で地方に行ったときは、近場の釣り場に行ったりね。田んぼには必ず用水路があるんだけど、こんなところに魚がいるのか!っていう場所を見つけたときの喜びがあったり。巡業に釣り竿を持って行くかって? そんなのは基本でしょ!
だけど常時、餌を用意してるわけじゃないから、池や川を見つけたときにパッと行って釣りができるのがルアーのいいところだね。そうやって全国各地で釣りをして歩いてる。何をしに巡業に行ってんのかって? 決まってるでしょう、釣りだよ(笑)。
■鈴木みのる(すずき・みのる) 1968年生まれ、神奈川県横浜市出身。88年に新日本プロレスでデビュー後、UWF、藤原組、パンクラスを経て、現在は「鈴木軍」を率い新日本で活躍。テレビの釣り番組に出演経験もある
■『燃えろ!新日本プロレス』vol.53(2013年10月24日号)に掲載 http://weekly.shueisha.co.jp/moero/main.html
■『詳説 新日イズム 完全版』も絶賛発売中! http://wpb.shueisha.co.jp/2014/10/09/37069/
(取材・文/“Show”大谷泰顕 撮影/平工幸雄)