「天才」にして「悪童」。
10代の頃の宇佐美貴史のイメージは、おおむねそういったものだった。だからこそ昨年、「日本代表入り」について聞かれた際の殊勝なコメントに、今ひとつしっくりこないものを感じていた。
三冠王者のエースは、ドイツ・ブンデスリーガの2年間で何が変わったのか。“日本代表に最も近い男”は、ガンバから再び世界に羽ばたくのか――。
キャスター・山岸舞彩がトップアスリートの精神世界を探る「挑戦者たち」第7弾!
■「守備しない」との声に対しては…?
山岸 今、アジアカップ真っ最中(※取材収録時)の日本代表について聞かせてください。
宇佐美 入りたいですね。できるだけ早く。本当は代表に定着してから海外に行く予定だったんですよ、自分のビジョンでは。でも全然定着してないし、海外にはもう行って戻ってきてる。波瀾万丈にもほどがありますよ。
山岸 「宇佐美を代表に」という声がある一方、「運動量や守備量が足りない」という声もありますが…。
宇佐美 それは自覚してます。運動量や献身さ、どれだけ前からプレスできるかっていうのを今の代表は求めていると思うので。
山岸 自分でも足りてないと。
去年のクラブW杯見て泣きそうに…
宇佐美 足りてないですね。してこなかったんで。最高の理想は、ボールを取られんと5、6人抜いて点取る、それがベストです。年間30点、40点取るような選手には、やっぱりそこまで守備を求めないと思うんですよ。
だから、究極はそこを目指していたい。そこにトライしつつ、周りに合わせて献身的にやることも身につけていきたいです。
すごく濃い色に自分を合わせられる力がないと、いろんな監督が使いやすい選手にはなれないと思うんです。中心でやっている選手に合わせながら、どれだけ自分の色を出せるか。
レアル・マドリードでいうと、クリスティアーノ・ロナウドがいるからイスコとかハメス・ロドリゲスとか、あんなワールドクラスの選手でさえハードワークしまくってるわけじゃないですか。俺、去年のクラブワールドカップの試合見て泣きそうになりましたもん。
山岸 ハードワークを身につけたあかつきに代表定着、そして世界への挑戦がもう一度始まるということですね。
宇佐美 そうなりたいです。なので今、どこの国に行っても大丈夫なように英語めっちゃ勉強してるんですよ。これ、書いておいてくださいね。
●このインタビューの全文は発売中の「週刊プレイボーイ6号」にてお読みいただけます!
●山岸舞彩(やまぎし・まい) 1987年2月9日生まれ、東京都出身。『Jリーグタイム』(NHK BS1)、『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』(NHK総合)のキャスターを経て、現在は『NEWS ZERO』(日本テレビ系)に、月曜~木曜のレギュラーキャスターとして出演中
●宇佐美貴史(うさみ・たかし) 1992年5月6日生まれ、京都府出身。身長178cm、体重69㎏。利き足:右 ポジション:FW、MF 京都の長岡京サッカースポーツ少年団を経てガンバ大阪ジュニアユースに所属。以後、同クラブのアカデミー(下部組織)でプレーを続け、17歳の若さでトップチームに昇格。2011年7月にドイツ・ブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンに移籍。その後、TSG1899ホッフェンハイムを経て、2013 年6月より再びガンバ大阪でプレーしている
(撮影/松井英樹)
■週刊プレイボーイ6号(1月26日発売)「キャスター・山岸舞彩がトップアスリートの精神世界を探る 挑戦者たち#007 宇佐美貴史」より