ついにプロ野球も2015年シーズンが明日から開幕!

『週刊プレイボーイ』恒例企画で、キャンプ、オープン戦と現場に密着し取材してきたスポーツ紙記者の皆さんに本業の紙面には書けない、でも誰かに言いたい…そんな毒ガス系?のネタを吐き出してもらったところ…。

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スポーツ紙デスク キャンプから黒田の広島復帰、松坂のソフトバンク入りが話題をさらった今年のプロ野球。特に広島は、近年の勢いに加速がついて、名実ともに注目度No.1だね。

記者A 球団史上初めて、年間指定約8300席が売り切れました。それも1月に! 昨年は〝カープ女子〟のブームもあり、グッズが15億円ほど売れましたが、今年は20億から25億円まで伸びると球団関係者は試算。戦力も充実しているし、あとは優勝するだけです(笑)。

記者B どうかなあ。黒田の加入は間違いなくプラスだけど、果たして彼自身がどれだけ勝てるか。オープン戦でさえ、黒田の登板となると若い野手たちはガチガチに緊張しまくり。ヘタな守備はできないし、点も取らなきゃいけない。ある主力野手は「黒田さんの日は3、4試合分疲れる」と漏らしていた。シーズン途中で息切れしそうだよ。

記者C ただでさえ、黒田にはヤンキース時代から好投しても援護に恵まれないジンクスがありますよね。2013年、田中将大が楽天最後のシーズンに24連勝したけど、あの時も打線が「田中の試合は絶対に落とせない」と奮闘するあまり、翌日の試合は緊張が抜けてサッパリ打てなかった。そういう類(たぐ)いのジンクスって、球界では案外、本気で信じられていますから。

デスク ソフトバンクの松坂は、なかなか好結果を出せず厳しい声も多いけど、本拠地のオープン戦で観客3万人を集め、あらためてビッグネームぶりを示したね。「ケガなくシーズン通して出場してくれさえすれば、元は取れる」と電卓を叩く球団関係者もいる(笑)。何しろ戦力的には、松坂が10勝10敗でも優勝争いできるくらい層が厚いチームだから。

A 工藤新監督次第ですね。キャンプ、オープン戦は無難なスタートで「新人監督のわりに落ち着いている」と外野は評価していますが、本人は「優勝って言葉を耳にするたび、ドキッとして冷や汗が出る」と、親しい人間にこぼしているとか。

 彼が現役だった頃のダイエー時代から、福岡のファンは負けが込むと容赦ないからな。秋山幸二前監督は熊本出身で、しかもホークスで現役を終えた〝九州人〟だったけれど、工藤監督はFAで西武から来て、またFAで巨人に出ていったというイメージがファンにはある。2連覇して当然というムードだから、2位でも評価はガタ落ちでしょ。

 ちなみに、工藤監督のことを一部の選手は陰で〝クドカン〟と呼んでます。どうでもいいけど(笑)。

神経質すぎる“クドカン”の一触即発!

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“クドカン”こと工藤監督に関しては、別のスポーツ紙デスクがこんな不安も語っている。

「現役時代の実績は文句なしですが、なんといっても指導者としては未体験の新任監督。それを支えるべく一軍投手コーチにチーフとして佐藤義則、そして吉井理人のふたりを配しましたが、これがどう出るか…。

佐藤コーチは阪神、日ハム、楽天と投手コーチやヘッドコーチを歴任しダルビッシュ、田中将大らを育てた名伯楽。実績がスゴいだけに意外と神経質な工藤監督が気を遣いすぎるとストレスがたまるのではと。佐藤さんも性格的に難しい人と言われてますしね。

さらに、その間を取り持つ吉井コーチもかなりクセのある人物で、よく言えば頑固、悪く言えば頑(かたく)なで機嫌を損ねると大変。その3人がちょっとでも揉めれば一触即発で崩壊の危機もある」

その工藤監督の神経質っぷりは前出の記者Aも指摘するところだが…。実は、息子の俳優・工藤阿須加がインタビューでこう語っていた。

「父はちょっとした音でも目を覚ましてしまう。朝のトイレは何回か使った後でまとめて流すようにしていました。靴もキュッキュッと音がするので、きょうだいそろってそーっと外に出てから履きました」(朝日新聞「おやじの背中」より)

現役時代、特に若い頃は豪放磊(らい)落なやんちゃ青年だったイメージも、内実はこれほど繊細な一面が…。監督として周囲への気遣いでストレスが募り、シーズン序盤でよもやの戦績などということになれば、一気に不和噴出ともなりかねない。本命ソフトバンクも、不安要素は尽きないというわけだ。

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■週刊プレイボーイ14号(3月23日発売)「開幕直前!プロ野球記者覆面座談会 これが12球団の抱える“時限爆弾”だ!」より