月額1万1千円で、あなたの質問にとことん答えます――。

右肘(ひじ)をリハビリ中のダルビッシュ(レンジャーズ)が新たに始めた会員制SNS「Team Darvish(チーム・ダルビッシュ)」が話題になっている。

これはエイベックス・スポーツ社などが運営する、フェイスブックのグループ機能を使った「athlete club(アスリート・クラブ)」という新サービスの中のコンテンツ。多くの元有名アスリートなどが参加しているが、価格は各人で異なり、例えば球界では小宮山悟(こみやま・さとる)氏が1千円、籔恵壹(やぶ・けいいち)氏が5千円。他に森末慎二氏(体操)は3千円、古賀稔彦(としひこ)氏(柔道)と清水宏保(ひろやす)氏(スピードスケート)は1万円だ(すべて月額)。

その中でも、やはり現役メジャーリーガーのダルビッシュは異色かつ別格の存在だ。著作権の関係上、具体的な内容を紹介することはできないが、すでに何人もの会員がリハビリのこと、プロとしてのメンタルなどについて質問を寄せ、ダルビッシュはほぼ24時間以内に誠実に回答。

さらに右肘手術翌日のリハビリ動画を公開するなど、かなり「ガチ」な姿勢で取り組んでいる(ステマじゃないよ)。まあ、1万円以上も取るんだから、マジメにやるのも当たり前といえば当たり前だが…。

「他業種では堀江貴文氏や岡田斗司夫(としお)氏など多くの著名人がオンラインサロン形式の会員制ビジネスを展開している。高額・少人数のクローズドな環境ならレベルの低いクレームの心配はなくなり、ポイントは会員の満足度に絞られます。

ダルビッシュは突っ込んだ取材をほとんど受けませんが、球界有数のトレーニングマニアで、リハビリも最先端のものになるでしょうし、野球の技術面でも多くの持論がある。学生野球の指導者やスポーツトレーナーにとっては、彼と直接やりとりできるなら、この値段も高くないかもしれません。問題は会員が増え、個別のやりとりのペースが落ちてきた時、同じ満足感を保てるかどうかですね」(会員制ビジネスに詳しいITコンサルタント)

球界ではこれまでにない異例の試みは、どこまで成功するだろうか?

(取材・文/和田哲也&本誌野球班)

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