12日から始まった大相撲名古屋場所。人気復活が叫ばれ盛り上がる中、新大関となった照ノ富士(23)に注目が集まった。
11日目、残念ながら1敗同士の対決で迎えた横綱・白鵬との大勝負には敗れたが、本誌30号では場所前の直撃インタビュー(前編「進撃の新大関、照ノ富士が場所前に語っていた過熱人気」)で、本人がライバル意識についてこう語っていたーー。
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―同じ飛行機で来日し、同じ鳥取城北高校に通った逸ノ城(年齢は2歳下)に対してのライバル意識は?
照ノ富士(以下、照) 逸ノ城? 普通です。ライバルとかそういう意識はまったくないです。周りの人は(ライバルと)騒ぐし、あっちは意識しているかもしれないですけど(笑)。こっちはまったく意識してないです。
―横綱白鵬は?
照 横綱に対してもライバル意識とかないです。土俵に上がったら(相手が)誰でも一緒。目の前にある一番一番を戦うだけ。絶対勝ちたいというよりも、自分の力を出し切ることだけ考えています。それができれば、勝っても負けても結果はどうでもいい。
―いつも取り組み相手の研究はしているんですか?
照 していません。番付がどんどん上がっていった頃は対戦する相手が毎場所のように変わるので、ビデオで研究していました。でも、今は相手が毎場所ほとんど変わらないから。たまの初顔合わせは、今でもビデオを見て、どういう相撲を取れるかを考えますけどね。それで自分の取り口を決めてしまうので、取り組み前に緊張するとかもない。
―今は相手が誰でも自信満々に見えます。
照 でも、自分で自分のことを強いと思ったことは一度もありません。全部ギリギリで勝ってきているので。大関になったばかりですけど、上を目指して頑張らないと。満足してしまうと落ちていくだけなので。常に上を目指しています。
お相撲さんになった頃は「結果を出そう、結果を出そう」「絶対勝ち越ししよう」とか、「ああ、もう三番も負けちゃった」「これ絶対勝たなきゃヤバイな」とか、そういうふうに考え込んでばかりいた。でも、今は「目の前の一番を勝てばいいんだよ」と考えられるようになった。それがよかったんだと思います。だから、初日も千秋楽も同じ気持ちなんです。
―ファンからの〝白鵬超え″の期待も大きいですが。
照 白鵬関を倒して横綱になるとか、優勝するとか、そういう意識はないです。目の前の一番を勝ち続けていけば、今よりもっと努力すれば、上に行けるんじゃないですか。白鵬関に勝っても、他の人に負けたらダメなわけです。目の前の一番を勝ち続けることです。
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ここから千秋楽までどう巻き返すか、本人の言葉通り、目先の勝利でなく今後の飛躍のためにも注目して見たい!
照ノ富士春雄(てるのふじ・はるお) 本名ガントルガ・ガンエルデネ。1991年生まれ、モンゴル・ウランバートル出身。2009年、18歳で鳥取城北高校に相撲留学。11年1月に角界入りし、14年3月に新入幕。伊勢ヶ濱部屋。身長191㎝、体重178㎏
(取材・撮影/ヤナガワゴーッ! コーディネート/金本光弘)