9月18日(現地時間)、イングランドでラグビーW杯が開幕する。
サイズやパワーがものをいう競技にあって、我らがジャパンは豊富な運動量でどんどんパスを回し、相手ディフェンスを攪乱(かくらん)する革命的な攻撃スタイル“ジャパン・ウェイ”を引っ堤げ、世界に挑む。1991年大会以来、2度目となるW杯での勝利、さらには悲願の8強入りに向け、期待は高まるばかりだ。
ところが日本の一部スポーツファンの間には、こんな意見が根強く残っている。
「ラグビーの日本代表って、“ガイジン”が多いから感情移入しにくい」
他のスポーツと違ってラグビーでは、外国籍の選手でも代表チームでプレーできる文化がある。実際、W杯に出場した歴代のジャパンには複数の外国籍選手がいた。そして今回のメンバーでも外国籍選手は5人。さらに日本に帰化した外国出身選手を含めれば、“外国人”は登録メンバー31人中10人と3分の1を占める。
だが、強豪といわれる代表チームでも“外国人”選手がいるチームは少なくない。ラグビージャーナリストの村上晃一氏が言う。
「職を求めて一家で外国に渡り、そこで育った子供が移住国の代表選手になったり、あるいは母国で優秀なラグビー選手だったため海外の高校やプロチームに誘われてプレーするうち、そのまま代表入りしたりするのはごくごく当たり前のこと。だからイングランド代表にはトンガ人が、スコットランド代表やオーストラリア代表にはニュージーランド人がいます。でも各チームのファンはそのことになんの違和感も持っていませんし、それこそがラグビーの素晴らしさだと理解しています」
加えて現在のジャパンの“外国人”選手には、これまでにない特徴がある。『ラグビーマガジン』編集長の田村一博氏が説明する。
「従来はわずかな例外を除けば、すでに完成された一流選手が日本にやって来て、助っ人的に代表入りする場合が多かった。でも今の“外国人”選手は、日本の高校や大学やトップリーグのチームで鍛えられて成長したプレーヤーばかり。
さらに代表ではエディー・ジョーンズヘッドコーチの就任以来、日本人選手と一緒になり、1日3部の猛練習が続く長期合宿に耐えてきました。日本の代表チームに選ばれたことに喜びと誇りを持ち、家族と過ごす時間を削ってでもチームに身をささげているのです」
そんな日本代表の外国人選手達がどんな物語をそれぞれに持っているのか、発売中の週刊プレイボーイ本誌で紹介しているので、是非お読みいただきたい!
*『週刊プレイボーイ』39・40号合併号(9月14日発売)より
(取材・文/本誌ニュース班)