甲子園で話題を独占した早実の清宮幸太郎。
まだ高1…!? スゲー。高1の時のオレって、一体何してたんだっけ…と自分を振り返ってしまうすべての人に、累計10万部超の人気書籍『野球部あるある』チームが送る「清宮あるある」!
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【清宮あるある①】 清宮批判をする人の注文が、高校1年生に求めるレベルではない
この夏、毎日のように新聞・TVで報道された清宮だが、当然、それを面白く思わない人の存在も。「活躍していない日まで取り上げられやがって…」といったものならまだしも、「内角のさばき方が甘い」「低めの変化球にバットが止まらない」など、それ、高校1年生に言うこと?と思ってしまうようなアラ探しにまで発展。
あるメディアは「清宮の致命的な弱点を発見!」とセンセーショナルに報じたが、ここまでくると「イチャモン」だ。甲子園球場のスタンドでは、あるオールドファンのこんな声も耳にした。
「(早実の先輩の)王貞治のほうがすごかった…」
アンチの存在は注目されていることの裏返しだが、繰り返すように清宮はまだ高校1年生。少し前までは中学生だったのだ。もう少し温かい目で見守ってほしいものである。
【清宮あるある②】 清宮の試合がある日は、阪神電車の始発が修羅場と化す
今夏の甲子園、早実の試合は準決勝を除き、すべて第1試合に行なわれた。朝8時の試合開始に合わせて、5時2分梅田発の阪神電車の始発に乗り込む人が続出。とんでもない満員電車になった。
車内は押し合いへし合いで、あちこちから男女問わず悲鳴が聞こえ、息をするのもやっと。あまりの混雑ぶりにイラ立ちを抑えきれなかったのか、「シバくぞ!」と叫ぶ男性まで。
また、早実の試合が5試合中4試合も第1試合だったことについては、「仕組まれていたのでは?」という陰謀論まで浮上。確かに、警備や集客の都合上、第1試合に組んだほうが運営はしやすいのだが…果たして真相は!?
あの内山君にそっくり!?
【清宮あるある③】 「内山君は元気かな…」と思わずにはいられない風貌
メディアに清宮が登場するたびに、こんな声を耳にしたことはないだろうか。
「あれ? 清宮って、内山君にそっくりじゃない?」
内山君とは、子役で一世を風靡(ふうび)したタレント、内山信二氏のこと。言われてみれば確かに!と誰もが納得するであろう同系統の顔つきだが、清宮本人にとっては触れられたくないに違いない。
ちなみに、内山君の公式ブログのタイトルは、『うまれた時からず~っとでぶ』だ。
【清宮あるある④】 阪神ファンが早くも清宮を戦力構想に入れている
清宮の父・克幸さんは、ラグビー界の名将として知られているが、実は阪神ファンとしても有名。その影響で息子も阪神ファンだという。今夏の甲子園、早実戦の当日に阪神電車の始発を待っていると、プラットホームで男性のこんな声を耳にした。
「5年後くらいには清宮が阪神の4番を打ってるだろうから…」
えっ、もう阪神に入っていることになってるの? 念のために補足しておくと、現在のドラフトでは「逆指名」は認められていません。
【清宮あるある⑤】 「実は清宮より加藤のほうがすごい」と言うと、ツウっぽく感じられる風潮
今夏、早実の躍進を支えた陰のMVPといわれているのが、清宮の後を打つ4番打者・加藤雅樹だ。清宮との2者連続で放ったアベックホームランは記憶に新しい。
コアな野球ファンになればなるほど、「日本中の注目を集めている清宮を手放しでホメたくない」という心理状態に陥りがちだ。そんな人たちからしばしば聞かれたのが「清宮より加藤のほうがすごいけどね」というフレーズ。これを言うと、「よく見てる人=ツウっぽさ」を演出できるらしい。
そもそも上級生と比べること自体がナンセンスのような気もするが、野球通に見られたい人は是非使ってみては。
野球通っぽく聞こえるフレーズとは?
【清宮あるある⑥】 清宮一家の名前を見渡してみて、「絶対に不幸が起こらなそうだ…」と気づいてしまう
父・克幸、母・幸世、長男・幸太郎、次男・福太郎…。一家そろって、なんて「幸福」を呼び込んできそうな名前なんだと驚かされる。
そもそも、「清宮」という名字だって、「きよのみや」というロイヤルファミリーかと勘違いするような、雅(みやび)なものだ。「清宮幸太郎」というフルネームもまた、大物感の醸成を手伝っているような気がしてならない。
【清宮あるある⑦】 一瞬で消えた“タオル王子”というマスコミの命名
近年の早実の甲子園スターといえば、“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹(日本ハム)だ。
マウンド上で流れる汗を上品にハンカチで拭った斎藤の姿は印象的だったが、実は清宮も攻守交代の際、取組前の力士のごとくタオルで豪快に汗を拭いていた。このシーンを見たメディアが“タオル王子”と大見出しを打ったが、結果的にビックリするほど浸透しなかった。
【清宮あるある⑧】 「2年後は、清宮だけ金属バット禁止にすべきだ」と得意げに言うオッサンがいる
甲子園大会終了後、1年生で唯一、U-18日本代表入りを果たした清宮。金属バットから木製バットに持ち替え、しかもJAPANの4番として世界と戦う…。そんな規格外の清宮に対し、飲み屋などでオッサンからよく聞かれるのが上のフレーズだ。
そんなオッサンはおいといて、2年後には「あいつに金属バットを持たせるのは反則だよ」と言われるようなスラッガーに成長してほしい。
(取材・文/菊地選手 漫画/クロマツテツロウ)
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