「普段サッカーを見ないような人たちにもＣＳに興味を持ってもらえるような熱いプレーを見せてほしい」とセルジオ氏
世間はラグビーの話題でもちきりだけど、Ｊリーグの２ｎｄステージも残り４試合、終盤戦を迎えている。
現在、優勝争いは広島と鹿島が勝ち点で並び、得失点差で広島が首位。この２チームを勝ち点４差でＦＣ東京と浦和が追いかける展開だ。首位に立ち、試合ごとの好不調の波の少ない広島が最有力だと思うけど、ここにきてエース佐藤の得点が止まっていることと、右サイドでチャンスをつくるミキッチが、先日のＦＣ東京戦で負傷し、途中交代したのは気がかりだ。しかも、川崎、Ｇ大阪といった強敵との対戦も残している。優勝決定は最終節までもつれ込むだろう。
もっとも、個人的には２ｎｄステージの結果よりも、１ｓｔステージの結果と合わせた年間勝ち点（順位）に注目している。なぜなら、やはり年間を通して一番強かったチームをきちんと評価したいからだ。
現在、年間勝ち点のトップは浦和。２位に広島、３位にＦＣ東京、そしてＧ大阪、川崎と続く。果たして、１ｓｔステージ王者の浦和は最後まで首位をキープできるか。次節からはＧ大阪、ＦＣ東京、川崎と上位陣との直接対決が続く。ここ数年の浦和はいつもシーズン終盤に失速しているだけに、不安を感じるサポーターも多いだろう。
でも僕は、今年は浦和がこのまま逃げ切るんじゃないかと見ている。総合的に見て、選手層の厚さ、タレントの充実度は他クラブよりも一枚上。戦いぶりも安定していて、リーグ戦での連敗は一度しかない。また、選手たちのプレーぶりや発言からも「今年こそは」という気持ちが伝わってくる。昨季はシーズン終盤にＦＷ興梠（こうろき）が負傷離脱してチーム全体のバランスが崩れたけど、今季は故障者がいないのも大きいね。
カギを握る選手は武藤かな
カギを握る選手は、今年加入してブレイクした武藤かな。彼がたくさんチャンスに絡んでいる時は攻撃がスムーズにいっている証拠。そこで得点を決めれば、チームも勢いづく。今回の日本代表メンバーからは外れたけど、面白い選手だと思うし、ぜひハリルホジッチ監督にアピールしてほしい。
今季から導入されたポストシーズンのチャンピオンシップ（ＣＳ）には最少で３チーム、最多で５チームが出場する。現時点での成績をレギュレーションに当てはめると、１ｓｔステージ優勝の浦和、２ｎｄステージ首位の広島、年間勝ち点３位のＦＣ東京の３チームが出場することになるけど、正直、仕組みがわかりにくい。両ステージの順位表、年間勝ち点を確認し、さらに出場するチーム数などによって８パターンもあるトーナメント表を確認しないと組み合わせがわからないんだから。
以前のような両ステージの１位同士によるＣＳ、もしくは１シーズン制にして、上位チームによるトーナメントにしたほうが一般の人たちにもわかりやすいと思う。今後の課題だ。
最終的にＣＳでどこが優勝するのかは、年間勝ち点１位も２ｎｄステージ優勝も決まっていない段階で予想するのは難しい。ただ僕は、浦和にしろ広島にしろ、とにかく年間勝ち点１位のチームに勝ってほしい。それが一番スッキリするし、納得感がある。
ＣＳは地上波でも生放送がある。２ｎｄステージの残り４試合で、普段サッカーを見ないような人たちにもＣＳに興味を持ってもらえるような熱いプレーを見せなければいけないね。
（構成／渡辺達也）