所属のガンバ大阪はJリーグのチャンピオンシップで下克上ならずも、遠藤の視線はすでに先を見ている

今年1月に日本代表で国際Aマッチ最多出場という金字塔を打ち立て、今季のJリーグでもG大阪の主将として大きな存在感を発揮した遠藤保仁。

来年、W杯最終予選に臨むハリルジャパンでは召集を見送られている自身の現在地、そして注目している若手選手等含め、2016年の展望を聞いた!

●W杯最終予選でも普段通りにすべき

―まだ天皇杯が残っていますが、2015年を振り返ってどうですか?

遠藤 シーズンを通してピッチに立てたことは非常によかった点です。最高の結果とまではいかなかったですが、充実した1年だったかなと。

―G大阪はどのタイトルも狙える位置にいました。

遠藤 いい時もあれば、悪い時もありましたが、ハードスケジュールの中でもいいところまでいけたのでタイトルを獲れる力はついてきていると思います。

―日本代表について話を聞かせてください。今年はアジア杯(1月、オーストラリアで開催)に出場して以来、13年ぶりに代表から離れていたシーズンだったと思います。

遠藤 そうですね。でも今年は何かと忙しかったので、あんまり変わらなかったですね。アウェーゲームに行く負担がちょっと減ったくらい。「代表の試合がなくてヒマだな」という感覚はなかった。

―試合は見ていましたか?

遠藤 見てないっすね。自分が出てても、あんまり映像は見ないです。

―近著『白紙からの選択』の中では「また代表のユニフォームが着たい」と語っていますが、今後、ハリルホジッチ監督に「遠藤、来てくれ」と招集されたら?

遠藤 また新しい監督の新しいサッカーを学べるのでそれは楽しいですね。新しい選手も多いですし、一緒にプレーしたら楽しいだろうなと思ってます。僕は最初に代表に呼んでもらった時から(ピッチに)入ったら楽しいだろうなとずっと思っていて、それは今でも変わらないですね。

W杯出場がかかっていても同じ90分

―来年、日本代表はロシアW杯のアジア最終予選に挑むことになると思いますが、やはりW杯出場を決めるようなビッグゲームは独特の雰囲気がありますか?

遠藤 皆さん、「独特」と表現しますけど、独特にしているのもやはり人間ですから、それほど特別な違いはない。ただ、勝たなきゃいけない試合はあるので、その雰囲気はチームにあります。

―遠藤選手個人にも?

遠藤 僕は注目されればされるほど楽しめる部分があるのでそこまで緊張しません。W杯出場がかかっていても同じ90分なので。ただ、選手によってはルーティンの一部として適度に緊張感を高めて、という選手もいます。選手それぞれが普段と同じように試合に入ることが一番重要だと思います。

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●遠藤保仁(えんどう・やすひと) 1980年生まれ、鹿児島県出身。98年、鹿児島実業高から横浜F(フリューゲルス)に入団。京都を経て、2001年にG大阪に加入。国際Aマッチ歴代最多出場(152試合)、アジア年間最優秀選手(09 年)、JリーグMVP(14年)など多くの記録を持つMF。178㎝、75㎏

(取材・文/竹田聡一郎 撮影/五十嵐和博)

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