これまで新日本プロレスのベルトに手が届かなかったが、東京ドームでは真壁刀義とのコンビでIWGPタッグに初挑戦!

毎年恒例、新日本プロレスの「1.4東京ドーム」はプロレスラーにとって今後1年の活躍を占う上での超重要な大一番であり檜(ひのき)舞台だ。

独特のガサガサ声でブレイク中の本間朋晃だが、その人気急上昇の知名度とは裏腹、リング上で結果を残せていない。2016年に正念場を迎えるであろう本間を元『週刊ゴング』編集長の“GK”金沢克彦氏が直撃した!

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聞き取り困難なガサガサ声で注目され、あっという間に大人気となった本間朋晃だが、肝心のリング上では結果を出せない苦悩の日々を味わってきた。

ところが、暮れの『ワールドタッグリーグ』を真壁刀義(とうぎ)とのコンビで制覇したことにより、1.4でIWGPタッグ初挑戦が決定!

―今年は芸能活動が絶好調でしたね。

本間 ありがたいことです(満面の笑み)。でも、そのチャンスをくれたのは後藤洋央紀(ひろおき)っていうわけで。昨年5月の横浜アリーナで、後藤の蹴りで真壁さんが顎(あご)を壊し、『スッキリ!!』でスイーツを食えないというので、僕が代役で出たのがきっかけです。真壁さんのパートナーじゃなかったらTVなんて出られなかったですよ、ハッハッハ!

そもそもTVに出ていい声じゃないし、朝の情報番組なのに情報を伝えられない(笑)。まあ、声を大にして言いたいのは、世の中、$▲#●@#ということです。

―えっ? 声を大にしたら全然聞き取れない!

本間 「一寸先はハプニング」です!

―そもそもなぜその声に?

本間 10年ぐらい前に、試合でコーナーラリアットを食らったせいです。普通は前腕じゃないですか。それがもろに相手の右ストレートがのどに入って。め~ちゃくちゃ痛くて。試合中、「ぁぁ、ぁぁ」としか声出なくなっちゃって。

で、翌朝起きたらこんな声ですよ。風邪声と一緒だから、よくなるのかなと思ったら、全く治らなくて。(のどを見せて)めり込んじゃってるんですよ。

―のど仏がめり込んでる!

本間 手術すれば戻るらしいけど、どういう声に戻るかわからないって言われて、まあいいやって(笑)。

僕は運で成り上がったので…

本間の必殺技「こけし」。ダイビング・ヘッドバットに改良を重ね、この形になった

―その声で困ったことは?

本間 人を呼べない。だから手を叩いて呼んだりとか。そのおかげで、みんな僕にすっごく優しくなりました(笑)。

―そんな本間選手の代名詞技は「こけし」。つまりはダイビング・ヘッドバットですよね?

本間 昔は華麗に飛んでたつもりなんです。でも僕がきれいなものを追求してもなんにもなんないから飛ばずに落ちてみました。ニタッと笑って。

―それが「こけし」と呼ばれるようになり人気を得たと。

本間 僕は運で成り上がったので、もっと頑張んないと。このインタビューのテーマの通り、崖っぷちなんで。

―いえ、崖っぷちじゃなくて「正念場」ですよ(笑)。これまで新日本ではベルトに手が届かなかったけど、1・4では念願のIWGPタッグに初挑戦。歴代の名選手が巻いてきた伝統のベルトですね。

本間 最近、IWGPタッグはビッグマッチのおまけみたいに組まれてますが、そんな扱いでいいのか、と。昔は興行の目玉になる存在だったじゃないですか。真壁さんとのコンビでタッグ王座の権威を取り戻したいですね!

■本間朋晃(ほんま・ともあき)1976年生まれ、山形県出身。97年に大日本プロレスでデビュー後、全日本、新日本と渡り歩く。独特のフォームから繰り出す「こけし」で人気を博し、『スッキリ!!』(日本テレビ系)などの番組では聞き取れないガサガサ声が受け、“ハスキー本間”としてブレイク中

■新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 10 in 東京ドーム」1月4日(月)/東京ドーム。王者オカダ・カズチカvs挑戦者・棚橋弘至のIWGPヘビー級選手権をメインに、王者・中邑真輔vs挑戦者AJスタイルズのIWGPインターコンチネンタル選手権、真壁刀義&本間朋晃がカール・アンダーソン&ドク・ギャローズに挑むIWGPタッグ選手権、王者・石井智宏vs挑戦者・柴田勝頼のNEVER無差別級選手権、内藤哲也vs後藤洋央紀など。詳細はHPにて。

■発売中の『週刊プレイボーイ』1・2号では「2016年正念場の男たち」特集として、オカダ・カズチカ、内藤哲也のインタビューも掲載!

(取材・文/金沢克彦 撮影/平工幸雄)